02

コラム&レポート コラム&レポート
未来につなぎたい大切なものは? 〜それぞれの視点で持ち寄る広場〜 未来につなぎたい大切なものは? 〜それぞれの視点で持ち寄る広場〜

10

大谷北部・中部地区-取材後記「まだ「あの手この手」の取材後記

今回は、2054年版の記事本体に載せきれなかった取材内容を、この取材後記に書き留めておきます。荒川留美さん、大内晃子さんお二人の、多岐にわたる2023年時点の活動を、楽しみながらお読み下さい!

「今年のわがままを、漢字1文字で!」


2023年1月、私たちは第2回「わがままカフェ」に訪れました。

わがままカフェは“カフェ”とはいうものの、NPO法人「おやまワガママLab」が運営する“学び”の場です。地域の方の得意な事、今まで経験してきて「ちょっとできるよ」という事で先生役になってもらい、子供も大人もみんなでシェアしながら学び合っています。

この日は書道教室ということで、私たちも汚れてもいいよう、黒い服を着て参加! 6歳のとしくんから68歳のたーちゃん、「今日が人生2度目の書道」だというアンドレアスさん(23)まで、年齢や性別の垣根を超えた14人が参加していました。

「こうなったらいいな」「本当はこうだったらいいのに」と思っていても、何気なく我慢してしまったり、諦めてしまっている“わがまま”をポジティブに捉え、集め、カタチにすることーーーそれがカフェの目的です。この日は、幼稚園から高校3年まで書道を習っていた荒川さんの「私わがまま女王なんですよ~(笑)」という一言で、参加者全員で今年のわがままを漢字一文字で書くことに!

「今日は綺麗な字を書くのではなく、『自分の想いや願いを込めて』とにかく一生懸命に、楽しく書いてください。」荒川さんのそんな言葉で書道が始まった途端、皆の背筋がグンと伸びます。真剣な眼差しで半紙に向かう子供達、久しぶりに筆をもって「どうしよう書けるかな。」と楽しそうな大人の姿がありました。

正、成、良など、思い思いの一文字が見られる中、『楽』という文字を書いていたのは小曽根玲奈さん。2人のお子さん連れで参加して、「お母さんと会社員の両立が大変で。楽をして楽しもう、人生楽しむぞ!」と、この漢字にしたそうです。

まっちゃん(10)は、「目標に向かってたくさん努力して、惜しみなく近づけていきたい」と努力の『努』を書いていました。子供達は、大人から褒めてもらいニコニコ。

荒川さんは、「子供達が自分らしくいられた時の、キラッとした笑顔を見れた時・引き出せた時が、この活動をしていて良かったと思う瞬間」と、ご本人もキラッとした笑顔で語ります。

わがままカフェでは、「世代間の交流を推進し、地域ぐるみで多様な挑戦を応援する仕組みをつくりたい」という、ワガママLabの願いがしっかり実現されていました。

しもつかれ1000年の伝統に、今 新風を


2054年版の記事でご紹介したあのマルシェを見て回っていたとき、会場の一角にしもつかれコーナーを発見しました!

これは、大内さんが所属しているオンラインサロン「しもつかれブランド会議」の活動。私たちがマルシェにお邪魔した2月5日はちょうど、この会議が設定した1週間の「しもつかれウィーク」の初日でした。見た目などからマイナスなイメージもあるしもつかれを楽しんでもらうことが目的で、しもつかれビスコッティ(330円)とガトーしもつかれ(200円)を販売していました。

さっそく私たちは、ガトーしもつかれを購入。食べてみると、甘みがやや強めでしっとり……しもつかれの具材の食感も少しありますが、しもつかれの味はそこまで感じず、新しいガトーケーキの味でした!

このしもつかれブランド会議には、飲食業、デザイナー、記者、大学生などなど、老若男女問わず30名ほどが在籍しています。県民でも好みの分かれる料理ではあるものの、1000年も続くサスティナブルな伝統食! 今の時代に合った改良を行って、その価値を発信しています。ゆくゆくは観光ツールとして、栃木県の発展に貢献することが目的だそうです。

記者も悲鳴! ママ’sマルシェの品揃え


マルシェ本体については前回の記事で描きましたが、こぼれ話をもう少しご紹介します。

2月5日、私たち取材班が会場に入ってみると、テーブルに所狭しと、ずら〜っと並んだ商品!上履き袋、手提げ袋、ナップザック、防災頭巾…小学生の時に使っていたものがたくさんで、なんだか懐かしくなりました。

荒川さんによると、この時期に開催しているのは「ママ’s」マルシェの名の通り、子供の入園入学グッズを求めるママに合わせているからだそう。

よく見ると、違うグッズでも柄が揃っていました。これは、「うちの子は、この柄」と統一することで、学校で持ち物が誰のものか分かりやすくするためなんだとか。しかも、学校から指定される規定サイズにちゃんと合わせているから、そこもママさんに喜ばれるところ。市販品のグッズだとサイズが合わない…というお悩みも解決しています。「ミシンなんて無い!」「ひとり親で大変!」という方たちの為に作るんだ、と荒川さん達は毎年グッズ作りに励んでいるのでした。

そして、可愛いモノに敏感な大学生の私たちは黙っちゃいない。「きゃ〜!これ欲しい!」とはしゃいだグッズもたくさんあって、各々ポーチ、指輪などをちゃっかりお買い上げしました。(笑)

そしてホワイトリボンラン
—みんな繋がり、アサッテへ!


取材中、大内さんにこれも!と紹介されて、私たちが次に訪れたのは小山総合運動公園。国際女性デー4日前の3月4日、小山拠点のホワイトリボンランが開催され、「女性の健康と権利のため」のチャリティランが行われました。大内さんも、NGO「ジョイセフ」が呼びかけるその活動の思いに共感し、イベント進行係として参加。陽気な音楽にのって準備運動をしっかりやってから…(体力に自信がない私たちは応援係に!)この後、みんな一斉にスタートしました!

全力疾走する子供達もいれば、ゆっくり自分のペースで歩く方など、参加の仕方は様々。エントリーしたのは75名とのことですが、キッチンカーなどの出店もあって、公園は溢れんばかりの人でした!

当日はしもつかれブランド会議の出店もあり、大内さんもスタッフとして参加。最後に私たちに、こんな言葉を下さいました。
「好きなものと好きなものは、気づくと全部繋がってるんです!」

―――荒川さんも大内さんも、きっとこのまま、2054年まで繋がりますね。

〔白鴎大学地域メディア実践ゼミ(2023年当時)/松島翠・佐藤麗奈・岩崎朱里・三浦藍香〕


大谷北部・中部地区 本編はこちら
劇団、教室、バスケにマルシェ。あの手この手で発光するまち

20代のレポート|未来発!おやまノート>記事一覧はこちらへ