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未来につなぎたい大切なものは? 〜それぞれの視点で持ち寄る広場〜 未来につなぎたい大切なものは? 〜それぞれの視点で持ち寄る広場〜

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田畑から食卓へ!生産+流通で廃棄ロスを減らし持続可能な農業を

Sunフーズ株式会社の栗原です。Sunフーズ株式会社??ってご存知でない方も多いと思いますので簡単に説明します。小山市駅南町に本社があり、メイン事業は青果米穀の卸売業の会社です。学校給食、ホテル、施設、飲食店など約100社に野菜や米などを納品しています。他には小山市産原材料を使った808breweryクラフトビールの製造販売、小山市まちの駅思季彩館、小山市民ギャラリーなどの小山市指定管理業者として施設の運営を行っています。2008年11月に起業し今に至ります。

もともと住宅メーカーで営業をしていて脱サラして起業しました。起業した理由は様々な仕事を通して新たな世界を見てみたかったからです。仕事をするうえで関わりたいと思ったのが衣食住に関する事。そこで老若男女問わず関われる食に関する仕事に決めました。

食と言っても、飲食業、農業、卸売業、小売業などなど様々です。私がやりたかったことは生産から加工、販売。偶然にも小山市は農業も商業も盛んな地域でしたのでチャレンジしやすい環境でした。

自然に優しい農法を持続可能なものにするには?

2021年3月には小山市産の農作物を有効活用したクラフトビール808brewery事業を開始。渡良瀬遊水地エリアで生産している「ふゆみずたんぼ米」の規格外を原材料の一部に使用しました。皆さんご存じだと思いますが無肥料無農薬で栽培しているコシヒカリです。化学肥料を使用しない為、収穫量は少なく粒も小さめ。害虫や雑穀の影響も受けやすい生産性が低めのお米です。

「そのお米を有効活用したい」、「廃棄が出やすい生産者のロスを減らしたい」という思いでクラフトビールの醸造を開始しました。自然環境に優しい農法、農作物を持続可能なものにするためには認知や収益、ロス対策などマストですが、まずは消費してもらうことだと思います。市内外問わず様々なイベントに出店して808breweryクラフトビールを口にしてもらってます。米以外にも同様の思いで二条大麦やハトムギを有効活用したクラフトビールを醸造しています。

今年の3月9日10日に開催された多摩動物公園の「コウノトリ まつり2024」に、コウノトリ についての小山市パネル展時などとともに、ブース出店。このイベントは、2月2日の「世界湿地の日」にちなんで、広くコウノトリの生態や保全の取組について知っていただくことを目的に開催されました。
イベントは大盛況だったそうです。右端が栗原さん。

耕作放棄地候補地で、農産物の生産もスタート

自然豊かな田園都市を維持、持続していくためには農業従事者の後継者対策も必要だと思います。2023年4月にはSunフーズ関連会社として農業の会社も設立しました。株式会社のうらくです。のうらくは農業を楽しく、楽しむ仕事にしたいという意味です。現在小山市南東エリアで3.5ヘクタール長ネギの生産に取組んでいます。後継者がいないなどの理由で残念ながら耕作放棄地候補になりつつある畑を長ネギの圃場にしています。

手探りでの生産で規格外の長ネギも大量にできてしまいます。細かったり曲がっていたり、青い部分が2本だったり。2本なだけで規格外なんですよ(笑)。規格外の長ネギは小山市内の中華料理屋さん、蕎麦屋さん、ラーメン屋さんなどに有効活用して頂いております。

いままで農作物の流通だけでしたが、生産してみて分かったこともたくさんあります。なかでも一番の問題はロスが多い事! 自社で流通できるのでロスは少なくなりますが、チャンネルが無い農業従事者は大変だなと。今後は私たちがチャンネルになれるよう、従事者のお役に立てるよう努めていきます。小山市の魅力的な風景、産業に少しでもお役立ちできるように!

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