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未来につなぎたい大切なものは? 〜それぞれの視点で持ち寄る広場〜 未来につなぎたい大切なものは? 〜それぞれの視点で持ち寄る広場〜

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もっと川で遊ぼう!

「おやまの本棚」連載4回目は、栃木市にお住まいの遠藤翼さん(合同会社WalkWorks代表社員)におすすめの1冊を選んで寄稿していただきました。遠藤さんは、小山市のまちづくり事業のひとつとして、思川でのSUP(サップ)体験ツアー、SUPヨガなどの企画・運営、講師を務めていただいています。(アサッテ広場編集部)

おやまの本棚04〜遠藤翼さんからのおすすめ
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おやまの本棚 04
『ナイル川を下ってみないか』
発行 mont・bell BOOKS(2016年)
著者 野田 知佑
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様々なルールや監視の目がある現代の日本社会において、川は比較的自由な空間だ。

川は原則として自由使用が認められていて、誰もが川で散歩しても、釣りをしても、泳いでも、楽器を演奏しても、野宿をしても良いことになっている。さらにいえば、川を下って海まで行くことも誰の許可も要らない。

ただ、川で遊ぶことには溺れるなどのリスクがつきまとう。それを理由に、川を管理する人たちは「入るな!危険!」の看板や転落防止柵をつけ、あなたを川から遠ざけようとする。

でも、あなたには川を楽しむ権利がある。リスクは正しい知識と技術と道具によってコントロールすることができる。自分で適切に考えて、自分で適切に備えれば、何の問題もないのだ。

思川(観晃橋北側)で開催された、SUPヨガの1コマ

また、川はまちのアイデンティティでもある。川の周りでは水や豊かな土壌が手に入り、それを求めて人が住みつき、まちになった。そして、川を使った舟運によって、他のまちと交易をし、まちはさらに発達した。川によって育まれた文化や暮らしは、まちに今も残されていることが多い。

「こんなに楽しい日本の川でもっと遊びたい!」

この本は、あなたをそんな気持ちにさせてくれます。そして、その衝動を後押ししてくれます。

川で流された人を救助するには、正しい知識と技術と道具が必要。
ツアーではこういった救助訓練の体験も。
川でSUPをするには、川の特性を理解し、専用の道具を装備し、それを使いこなせる技術が必要。
大きなSUPに乗れば家族みんなで川下りをすることもできます。
栃木県には魅力的な川がまだ残されている。こちらは那珂川の那須烏山付近。
利根川と横利根川をつなぐ横利根閘門(茨城県稲敷市)。閘門とは、水位差のある河川をつなぎ、船舶が行き来できるようにするための施設。SUPはこのような場所も通ることができる。
夕暮れの利根川。近所の川にも美しい風景はたくさん残されている。

合同会社Walk Works >ウェブサイト
水辺ガイドの波千鳥 YouTubeアカウント
遠藤さんとお仲間の2月の川旅の様子をご覧いただけます
動画「幻の運河を通って茂木〜勝田台210kmSUP旅」