03
中2生が主人公の連作短編『きみの存在を意識する』
こんにちは。中央図書館の木村です。
今回は、中学2年生が主人公の、連作短編小説を紹介します。
おやまの本棚03〜小山市立中央図書館からのおすすめ
————————————————————————————
おやまの本棚 03
『きみの存在を意識する』
梨屋アリエ/著
ポプラ社・2019年
中央図書館では2階の[青少年コーナー]にあります
————————————————————————————
この本は、中学2年生の子どもたちが主人公の、連作短編小説です。
登場する子どもたちは、それぞれが、人には理解されにくい困難や生きづらさを抱えています。
初めに登場するのは、本を読むことが難しい女の子“ひすい”。お母さんが読み聞かせてくれるのは大好きだったけれど、「もう中学生になるのだし、一人で読みたいでしょう?」と、読み聞かせてもらえなくなりました。
新しい担任の先生は、読書活動に熱心で、クラス内で、班ごとに読んだ冊数を競わせようとします。なかなか読み進むことができない“ひすい”は・・・。
作品の中には、文字を書くのが難しい子、柔軟仕上げ剤のにおいが耐えられない子、その他さまざまな悩みを抱える子が登場します。それぞれが生きやすくなるために、どうすればよいのか。周りの大人たちは、どう対応すればよいのか。
今まさに中学生という方はもちろん、中学生だったあの頃を思い出しながら、大人の方にも是非読んでもらいたい作品です。
また、登場人物の会話などに、実在する小説のタイトルが、さりげなく出てきたりします。これを読むことで、さらに、梨屋さんの作品への理解が深まり、芋づる式に読書が続いていく楽しみもあります。おすすめの1冊です。
作者の梨屋アリエさんは、実は、小山市出身。梨屋さんの作品はいつも、10代の子どもたちの心がみずみずしく描かれていて、お名前(ペンネーム)の“梨”のイメージそのものです。中央図書館に所蔵しています。どうぞご利用ください。
———————————–
小山市立中央図書館のホームページでは、10代の利用者向けのブックリストが公開されています。>青少年コーナーブックリスト
10代の方はもちろん、大人世代の方もご参考になさってはいかがでしょうか。世代間での対話や理解を進めることも、まちの未来ビジョンづくりの大切な一歩ですね。(アサッテ広場編集部)