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空き家リノベは「楽しげな好循環」を生む最初の一歩全国に800万戸を超える空き家があると言われている。800万という数字はスケールが大きすぎてあまりピンとこないかもしれないが、皆さんの身の回りではどうだろうか。
僕がよく訪れる小山駅から半径1kmほどを歩いてみると、所々に空き家を見かける。見るからに人が住んでいなさそうな家や、いつもシャッターが閉まっている店舗。詳しい数字までは分からないが、数十軒程度は空き家があるだろう。
空き家の問題点としては、防犯性や防災性の低下、景観の悪化などが挙げられるが、「味気ない雰囲気が出てしまうこと」も問題点の1つだと思う。
そんな雰囲気の通りやエリアでは、立ち寄りたいと思える場所が減り、道行く人が減るので、お店の売上も減り、店舗数も減ってしまう。人が来ないのだから新規オープンのお店も減るだろうし、何か新しいことを始めようとする意欲も削がれてしまう(僕は楽しげな場所が多い方が嬉しい)。
良い流れだと思えないが、どうしたらいいのだろうか。
選択肢の1つとして「リノベーション」がある。リノベーションとは建物の「使われ方」や「使う人」を変えることによって、空間を新しく生まれ変わらせること、と言われている。使用可能な建物を再利用する考え方だ。
小山駅から半径1kmほどの範囲でも既にリノベーションは実施されていて、コワーキングスペース(SEKEN)や民泊施設(ニシグチノイエ)が誕生している。その他にも空き家を活用したリノベーションが進行中(2022年10月時点)のところもあるようだ。
こうした取り組みは地域で暮らす人たちの協力を得ながら、少しずつ進められている。
生まれ変わった建物が増えていくことで、味気ない雰囲気から楽しげな雰囲気へと少しずつ変わっていくことを期待できそうだ。
いまあるものを有効に活用し、新しい価値を生み出していくこと。
そういった取り組みを応援していきたいと思う。
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