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活動を応援し合う関係から、住み続けたいまちが形成される
「小山には何があるの、何が魅力なの」と聞かれ、どのように回答したら良いか迷ったことがある。小山には日光東照宮のような観光名所もなければ、宇都宮の餃子のようなご当地名物もない。正直なところ、インターネットで検索しても「これが一番の魅力だよ!」という情報はなかなか見つからない。
観光で栃木に訪れる人の印象は薄いと思うし、私自身も小山に移住する前は「交通の便がよさそう」という印象しかなかった。それが移住して数年経ち、少し見え方が変わり、「面白いことをしている、考えている人たちがいるよ」と回答できるようになった。
「移住したことで見え方が変わった」というよりは、「その土地で暮らしている人たちとの出会いから見え方が変わった」という印象が強い。
特に「おやま妄想会議」という怪しげな名前のイベントに参加したときに出会った人たちの影響力は大きかった。
「まちなかでウエディングをやりたい」、「田んぼに囲まれた空き家を活用して民泊をやりたい」、「ビールで小山初のカルチャーを生み出したい」など、小山に無いけれども実現できたら面白いと思うアイディアを考え、前向きに進めようと活動している人たちの話を聞き、とてもワクワクした。
妄想トークは、現実になることもあれば、「まちなかウエディング」のように現実に近づいているものもある。例えば、妄想を話してくれた小林千恵さんは、小山駅西口エリアでウエディング姿を試し撮りし、実現に向けイメージを膨らませている。
小林さんとは、この妄想会議で出会ったのだが、小山に縁もゆかりもなかった私が小山で新たな活動をするときに応援してくれた内の一人だ。とても嬉しかったし、小林さんのやりたいことも応援したいなと思った。
そんな小林さんの妄想トークをはじめとして、これまでのレポートは、こちらで読める。(レポート担当は私です)
>「おやま妄想会議」ウェブサイト
そういった地域で何かを始めようとしている人たちの動きが活発になれば、暮らす楽しみやまちの魅力が増え、暮らし続けたいまちになるのだと思う。様々な場面で必要だと思うことを、必要だと思う人たちが実現できる環境が整えば、自分たちで住み続けたいと思うまちを形成できると考えているからだ。
共感できない発想もあると思うが、否定せずに共感できる範囲で応援し合う関係を作っていくことが大事なのではないだろうか。まずはアイディアや活動を面白がろうという姿勢から始めていこう。