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未来につなぎたい大切なものは? 〜それぞれの視点で持ち寄る広場〜 未来につなぎたい大切なものは? 〜それぞれの視点で持ち寄る広場〜

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食と農から持続可能なまちづくり。石川均さんを紹介します。

市民コラム「おやまの小さな自慢ダイアリー」、1期目に寄稿をお願いした4名の書き手の方々のお一人、石川均(ひとし)さんを紹介します。

定年退職後、第2の人生の歩み方は人それぞれにあるものですが、石川さんの場合は、矢板市の教育委員会を定年で退職した後に、それ以前にはほとんど縁がなかった「食と農」の領域で活動されるようになりました。

大学では自然地理学を専攻し、山岳部で活動しながら、将来はヨーロッパに渡って山岳ガイドの職につきたいと考えていたそうです。
「ところがね、大学3年の時に、後輩の1年生が山で命を落とすという事故があって、それで人生観が変わりました」
山岳ガイドへの夢はしぼんで専門を活かして測量会社に就職した石川さん。しばらくして縁があって矢板市の教育委員会に勤め、18年間を矢板市で過ごしたそうです。退職を目前にして第2の人生を考えはじめた時に、食の大切さを伝える講演会に参加したことが転機になりました。教育委員会では埋蔵文化財を担当しながら、宇都宮大学教育学部の陣内雄次先生とともに市民参加型のまちづくり事業にも取組んでいた石川さん。教育という立ち位置から地域を変えていくことには時間が必要だと実感していたこともあって、誰にも身近な問題としての「食」を通して地域に関わっていこうと思うようになったそうです。
農地付きの空き家が見つかった壬生町に転居し、認定農業者となり、自ら作物を作りながら、
週末には、石川さんがセレクトした安心・安全な農産物や農産物加工品の販売活動を小山市内で行っています。パン屋さん、カフェの敷地内と場所の変遷はありながらも、必要な方への橋渡しの場として、また生活者の私たちも食と農業のことについて新しい気づきを得る場として小山の街に根づき、この夏には開催回数も100回を超えたそうです。

農と食。
人の健康や暮らしはもちろん、地域の未来にとってもとても大切なこと。
そんな強い信念のもと、近年は、市民団体「小山っ子の未来を守る会」の立ち上げや運営に携わり、「小山市有機農業推進協議会」では監事を務めたり、精力的に活動されています。
「大学の頃からずっと、根っからの現場主義なんですよ」と、おっしゃる石川さん。小山の食と農の「現場」からのコラムを楽しみにしたいと思います。

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(参考)
●小山っ子の未来を守る会
学校給食での有機食材の使用、市が保有・管理する土地での除草剤に不使用という要望を、その根拠や手法などを学び合い、対話の場をつくりながら、小山市に要望として届けていく市民活動団体です。
YouTubuアカウント:小山っ子ちゃんねる
会が主催する勉強会などのアーカイブ動画が公開されています。
https://www.youtube.com/channel/UCH0YtmeLH8enh43A7Hso51g
●小山市有機農業推進協議会について(小山市ホームページ)
https://www.city.oyama.tochigi.jp/soshiki/39/255453.html

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「おやまの小さな自慢ダイアリー」について
小山市内で暮らす方や、仕事や活動で小山市に通っていらっしゃる市民の方々に、コラムを寄稿していただくコーナーです。私たちのまちの小さな自慢や、未来につなぎたい有形無形の大切なこと、持続可能なまちづくりの手がかりなど、日々の暮らしや活動の中で気づく、見つける、感じる、考えること・・・を綴っていただきます。
4ヶ月のサイクルで4名ずつ書き手の方にご登場いただく予定ですが、1期目の夏から秋(8月から11月)にかけては、編集部から4名の方にお願いをしています。冬から初春(12月から3月)にかけて、寄稿していただく方にも編集部からお声をかけたいと思いますが、もちろん「やってみたい!」という方のご連絡も大歓迎です。まずは、お問い合わせフォームからご連絡ください。
                     (おやまアサッテ広場 編集部)