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おやま市民ビジョン会議 おやま市民ビジョン会議
市と市民でつくる「おやま市民ビジョン会議」シリーズ セミナー&ワークショップ&報告会 開催レポート 市と市民でつくる「おやま市民ビジョン会議」シリーズ セミナー&ワークショップ&報告会 開催レポート

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「田園環境都市おやまビジョン」冊子の完成と表紙作品について

3月末に策定し、小山市ホームページで公開している「田園環境都市おやまビジョン」につきまして、今月(6月)には、印刷製本した冊子も完成しました。A4サイズ・204ページ。アンケートや聞き取り調査にご協力いただいた多くの皆様、関心を寄せていただいた多くの皆様の思いや希望がずしりと詰まった1冊になっています。
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6月28日に開催する「田園環境都市おやまビジョン完成報告会」で市民の皆様にもお披露目し、まずは限られた部数ではありますが、会場での販売も予定しています。
●ビジョン全文は、市ホームページでも読むことができます>こちらのページへ
●田園環境都市おやまビジョン完成報告会について:詳細>こちらのページへ
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このレポートでは、昨年12月に開催した「表紙制作ワークショップ 」について報告をします。

高校生・大学生が未来につなぐメッセージ〜表紙制作ワークショップ

ビジョン冊子の表紙をどうするか、小山市ゆかりの写真や絵画の表現者の方などに依頼するか、市民から写真やイラストを公募し、1点を選び掲載するか・・・いろんな選択肢がありましたが、小山市では、未来を生きる若い世代の力を借りることとしました。
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これまでのビジョン策定のためのセミナーやワークショップに参加したり関わってくれていた高校生・大学生から参加者を募り、2024年12月1日にワークショップを開催し「コラージュ作品」を制作してもらいました。当日のプログラムは、このような内容でした。

①田園環境都市おやまビジョンについてのレクチャー
②コラージュ という表現方法についての講義(講師:生井亮司先生:武蔵野大学教育学部教授、豊田地区在住)
③フィールドワーク(小山市役所・御殿広場・城山公園):スマートフォンなどで気になる景色を撮影
④コラージュ作品の制作(2グループに分かれて)
⑤完成した作品の共有と写真撮影

生井先生の講義。学校の授業では得られないような新鮮な内容に、参加者はみんな聞き入っていました。

コラージュは、プリントされた写真や広告の紙、新聞紙、包紙など様々な素材を組み合わせて貼り付けていく、絵画制作の技法の1つです。今回は、市が所有していた昔の小山市の写真をプリントしたもの、風土性調査で各地区を撮影したもの、また、当日、参加者がフィールドワークで撮影したものを、急ぎプリントしたものなどを使用しました。

風土性調査を担当した専門家の案内で、御殿広場から城山公園へ。見えている景色の成り立ちの解説を聞きながら、参加者が撮影した写真は、様々な視点がありました。

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午後は、市役所に戻り、2つのグループに分かれて制作を開始。サポートとして、生井先生のゼミの学生さん2名と市民委員の方も5名が参加してくれました。素材を見ながら、どんなテーマで表現したいくか、話し合いを進めます。ある程度の方向性が決まったら、素材を取捨選択したり、ハサミで切り取ったり、手を動かしながら、さらに考えを深めていきます。

「田園環境都市おやまビジョン」で言葉や文章で描かれていることを、色・形・写真・絵画などを組み合わせて表現していく・・・とても難易度の高いお題でしたが、チームでの対話や、アイディアの出し合いなどで、どんどん形になっていきます。

そして、2チームで3作品が、見事に出来上がりました。最後に、それぞれの作品と、その作品に若い世代が込めたメッセージを紹介します。このメッセージは、ビジョン本編の10ページにも掲載していますので、ぜひ、そちらもご覧ください。

作品タイトル「おやまの歴史を紡ぐ人々」

●表紙に掲載

小山の人々の活力あふれる生活を写した、数十年前の写真を背景に、現代の市で撮影した素材で「人」の文字が浮かび上がるようにコラージュしました。この作品をよく見ると人々の表情が本当に豊かで、写真からストーリーを想像することができそうです。当時の人々の生活の上に私たちの今があることを感じさせるような作品となりました。市に住む現代の私たちも、歴史を紡ぐメンバーの一員だということを意識したいという想いを込めて制作しました。(文:制作チーム代表・白岩大夢)

作品タイトル「移ろう小山の景色」

時代の流れに伴って、どんな地域でもまち並みは変わっていきます。この作品は市の時代に伴う景色の変遷を表しています。作品の左から右に向かって、時が流れるようにコラージュしました。そのため写真がモノクロからカラーに変わるようにグラデーションされています。作品のセンターにはコウノトリを据えて、以前も現在も小山市の自然が雄大で維持されたものだということを示しています。時の流れは止められませんが、いつの時代も守らなくてはならない自然や景色が市にあるということを心にとどめておきたいです。(文:制作チーム代表・白岩大夢)

タイトル『継往開来(じゅうおうかいらい)〜未来に向かって、つなぎ、築く、ウェルビーイングな小山市~』

この作品は、地域の歴史や人々の営みをコウノトリの姿で表現しており、30年後の市が自然と調和し更に豊かで活気ある場所になっていてほしいというメッセージが込められています。コウノトリは『幸せを運ぶ鳥』とも言われ、小山市の人々や地域、時代をつなぐ存在として、未来へ羽ばたいていく様子を表現しました。また、小山市のこどもたちを日本全国や世界に羽ばたいていけるような人材に育成し、飛び立ってもいつか必ず戻ってきたいと思えるような市であってほしいという思いも込められています。背景の青空には小山市各地で撮影した空の写真を素材として用い、無限の可能性と明るい未来を示しています。(文:制作チーム代表・柏﨑美貴)


■コラージュ作品制作者:安達 晃太 柏﨑 美貴 栗島 怜児 黒崎 孝佑 齋藤 佳礼奈 白岩 大夢 辻 颯太 遠矢 瑞姫 長津 猛琉
■撮影:村越 慧