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おやまビジョン市民会議 おやまビジョン市民会議
市と市民でつくる「おやま市民ビジョン会議」シリーズ セミナー&ワークショップ&報告会 開催レポート 市と市民でつくる「おやま市民ビジョン会議」シリーズ セミナー&ワークショップ&報告会 開催レポート

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2024/1/20開催:おやまの未来に、地域を支える「ひとの繋がり」をどう作る?ワークショップ レポート

おやま市民ビジョン会議シリーズ第6弾✨語り合うワークショップ 第3回「おやまの未来に、地域を支える「ひとの繋がり」をどうつくる?」の開催レポートをお届けします(いつもながら、正式タイトル、長くてすみません!しかも、記事本文も、いつもながら長文です!)

今回のテーマの趣旨は、ビジョンができても、その本質を理解して、具現化していくためには「地域とひと」「ひととひと」「ひとと組織」「組織と組織」のつながりが大切です。今の小山市での現状はどうなのか、情報交換したり意見交換してみよう!というところから企画がスタートしました。
「ひとの繋がりをどうつくるか、それが、持続可能なまちづくりには最も大切なこと」これは、このシリーズのセミナー第1回(講師:関東EPO・高橋朝美さん)で学んだことでもありました。

1|当日のプログラムと開催方式
市民委員の皆さんのご意見を伺いつつ、6つの小テーマを設定し、それぞれのテーマのテーブルで、市民委員さんにホストになっていただきました。
参加者の方は、申し込み時に3つまで希望を出していたテーマのテーブルをまわる、ワールドカフェスタイルの手法を一部取り入れての開催でした。
和やかに、賑やかに、時間が過ぎていく・・・。その様子を写真、映像、テーマごとの記録、アンケート記述などで、紹介していきます。

●当日配布のプログラム

●当日のショートムービー
ワールドカフェの様子は、映像作家の吉田ハレラマさんに60秒と少しのムービーにまとめてもらいました。すでにSNSなどでご覧になった方も、ここでもどうぞご覧ください。初めて出会った方同士も多く、また、時間を設定して、テーブルを移動していくスタイルですが、初対面の方同士でも、とてもいい表情で会話が進んでいます。
映像の中でも登場しますが、当日は、職員の方3名と宇都宮大学3年生でまちづくりに関心がある学生さん3名に、それぞれのテーブルに貼り付きで、吠え合いとボードへの記録もしていただきました。

2|6つの小テーマと各テーブルに共有した資料
6つのテーマは、これまでの地区ごとの簡易社会調査(アンケートやグループインタビュー)や、委員会での話し合い、ワークショップでの市民の方からのご意見などから集約したものです。
❶地元民と移住者の関係
❷自治会など地域の組織のこれから      
❸世代間の意識のギャップ
❹農業や地域活動の担い手づくり
❺子どもたちと地域
❻社会的に弱い立場の方々と地域
またそれらをもとに、当日の意見交換の流れや発言を引き出すためのフックとして、おやま市民の声・満載の「対話の流れのサポートシート」を作成し、テーブルに配布していました。まずは、その資料を公開します。

3|それぞれのテーブルでの語り合い:ダイジェストで紹介

❶地元民と移住者の関係(ホスト:伊藤弘子さん)
記録から抜粋して紹介します。
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●他の地域も知る移住者から見たおやまは?〜◎27年前、福祉の面で困った時に閉鎖的な街だと感じた ◎地域活動で新しい意見をなかなか取り入れてもらえない ◎施設利用にも制限が多い ◎交通の利便性をもっと生かした方が良い ◎今はないけどおやま遊園地の知名度はヤバイ! ◎観光資源が少ないけど魅力に溢れた街 ◎小山の強みはイベント!(ロブレの利活用を、防災関係のイベントも必要、フィルムコミッションを、ブレイバーン!)
●移住の入り口、その先は?〜◎新幹線通勤、テレワーク、地域との関わりも作れる ●移住者は地域に馴染んでいる?〜◎都市部の方が移住者を受け入れてくれると思っていたけど、田舎の方も良かった! ◎元から住んでいる地元の人は小山の良いところをあまり見てない、気づいてない? ◎地域を知ることの大切さ ◎そもそも地域間の交流が無い ◎情報の伝え方も取り方も上手では無い ●解決策は?〜◎飛騨市のヒダスケ(参考になる?)◎外国人の方の方が小山を知っている? ◎疎外感を感じることはないのでは?しかしその疎外感は可視化できない ◎移住者から小山の良さを発信していく ◎立場や環境の違う方々との交流を増やす ◎自治会フェス ◎ひととひとの繋がりが街をつくる。◎移住者も地元民も、同じ小山市民。

❷自治会など地域の組織のこれから(ホスト:長濱貴規さん)
記録から抜粋して紹介します。
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●自治会のイメージ〜◎役員の意識で変わる ◎閉鎖的 ◎活動や役割が多い(役員になるかどうかヒヤヒヤ)◎当然感 ◎何をやっているかわからない ◎ごみ収集のための組織 ◎総会のみ ◎関わっていると大変 ◎温度差がある ◎自治会ガチャ ◎自治会を変えていきたい(若い世代の意見で)◎時間に余裕がある高齢者が決めることが多い ◎ルールや重鎮(高齢者)の壁がある ◎地域の問題を自治会だけではなかなか解決できない ◎役員だけでルールを決めてしまう、住民の相違なし ◎アパートなどの集合住宅には自治会の情報が伝えられない ◎何かあったときのために自治会の存在は重要だが、機能していない、できない ◎人間関係の仲の良い悪いが出る ◎よそ者を受け入れない ◎昔からのルールで縛る ◎自治会を抜ける人が増加 ◎外国人や移住者は疎外 
●魅力ある自治会にするには〜◎自治会を選べるところもある(野木町)◎実務と意思決定者を変える ◎時間と年齢にとらわれない組織運営 ◎役割分担を見直しては?男性は言われたことはやる、男性が実働で、女性が意思決定、若者が発表や発信
●消防団は?〜◎いろいろなひとと知り合い繋がることができる ◎大変そう、飲み会多そう ◎大変だけど、楽しい! ◎大人の青春 ◎もっとPRを
役割分担
●どう変えていく?〜◎そもそも住民が自治会の仕組みを理解していない(見えにくい) ◎役についた人しか知らない ◎自治会の必要性をちゃんと伝える ◎意見を伝える場が無い ◎意思決定の不投影さ ◎そもそも入るもの、役割を教えてもらえない
●まとめ〜◎自治会を理解してもらうための仕組みづくり ◎パンフレット、仕組みや自治会の特色の見える化 ◎住むには権利と義務があること ◎マルシェなど、他の自治会との意見交換の場を作る

❸世代間の意識のギャップ(ホスト:安達晃太さん)
記録から抜粋して紹介します。
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●ジェネレーションギャップ、ある?〜◎団塊の世代とZ世代・・ゆとり世代、悟り世代。◎同窓会350人の世界から50人の世界へ ◎学生の頃、上野ひととは合わせたけど、下の人とは・・・ ◎後輩より先輩を覚えている ◎昔は根性論の体育会系、今はパワハラ ◎高齢者も若い世代も、地区のお祭りや文化財を残したいという思いは同じ。でもその地区の人しかやっていない愛と思ってる?→なくなってしまう 
●家族構成の変化・核家族〜◎おじいちゃんおばあちゃんの昔の話や戦争の話が聞けなくなった ◎二世帯住宅でも中で分かれている ◎いとこでも集まらなくなった(コロナでますます・・・)◎葬式の人数 ◎ひととの繋がりは増やした方が良い。血筋では無い繋がりの時代→どこでつくってゆくか→ハード(場所)とソフト(仕組み)人が集まる仕掛けが必要・例:荒川区「まちなかスナック」 ◎若い人を応援しましょう ◎若い人、遠慮してない? ◎地域に頼っていけないと思っていないかな? ◎友が友を呼ぶ、一人だとなかなか踏み出しにくい
●若い世代のコミュニケーション能力〜◎最初から会話する気がないとどんな意見を言っても・・・ ◎上に縛られることの忌避感 ◎こんな時代があったと言われても・・・ ◎はざまの世代は損をしている? ◎役割を持たせてあげては? ◎餅つき大会では人が集まったが、それに変わるアイデアが出てこない 
●そもそもZ世代って?〜◎見習うところもある ◎怒られてきていない、人の話を聞く、柔軟 ◎学校など限られたコミュニティにプラスして、ネットで広い価値観を持つ ◎世代間のコミュニケーションでは、なんで?なぜ?事実確認やすり合わせが必要。捉える側の取れ方が悪い場合も。何も言わなくてもわかる世代と説明しないといけない量が多くなる世代 ◎自由の中のメリハリ
◎Z世代の主張と昭和の考えは違う。今の40代50代も、10代のころは60 代のひとと意見が合わない・・・それは当たり前
●まとめ〜◎時代の常識が違う ◎世代間ギャップは、あって当たり前 ◎お互いに話をしよう、理解しよう ◎理解し合うための手段〜そもそも集まる場所、公民館、学校など・・◎地域だけではなく、地域を超えた普段の生活だけではできない経験を

❹農業や地域活動の担い手づくり(ホスト:武浩美さん)
記録から抜粋して紹介します。
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農業や風習、伝統芸能などの担い手不足の問題を考えるにあたって、当日、小山市田間の血方神社の太々神楽の若い世代の神楽師3名が参加されていたこともあり、どの地域も担い手不足に悩む伝統芸能の話題を中心に進めました。
●血方神社の太々神楽〜◎全員で9名、最小年齢40歳。市の職員の方も参加している。父がやっていたのでいつかは自分も・・と始めた人も。若い世代が関心を持ってくれないと、消滅してしまう危機感。
●どうやって伝統芸能や祭りを盛り上げる?〜◎知ってもらわないと始まらない。SNSの活用。◎祭りや芸能は、農業と密接〜若い人は、関心ない、めんどくさい、時間がない ◎古きを重んじるのはいいけど、それだけでは若い世代に継承できない。中間世代ならではの悩み。形を少し変えてでも残したい。例えば、イルミネーションの利用など悩みながら進めている。◎大人チームは「変えることが怖い」「どう変えるのか示してほしい」若者チームは「SNS、写真、それぞれの得意分野で」「手探りだから毎年、同じことができない」「SNSなどでの見せ方に工夫している」◎小山市無形文化財の上手なアピールがわからない ◎行政に頼らず、自分たちで発進したいが、その一方で、もっと小山市にも手伝ってほしい ◎

●参加者からの具体的なアイデア〜◎市民目線の困ったことと神楽の発信を掛け合わせていては? 例:エクササイズとして神楽の踊りを。「テング(天狗)ササイズ」「ひねりエクササイズ」など ◎ターゲットは、高校生にすべき、見た目がとてもかっこいいから ◎お面のワークショップなどあっても良い。新しい伝統になれば良い ◎毎年決まっている祭りの日以外に、見ることができる機会を増やす。「その日に行かないと見れない」→「ここでも見れる」◎県庁前とか ◎小山市役所の桜のところ。◎「小山市まつり祭り」の開催〜いろんな地区から神楽や祭りが集結。まずは、知る機会を作る。その次のフェーズでインスタの活用 

❺子どもたちと地域(ホスト:板倉一平さん)
記録から抜粋して紹介します。
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子どもと地域の関係を考えたときに、やはり「親」の存在が影響し「家庭と地域」というテーマに置き換えて考えて見ることに。
●家庭と地域の距離感がある?〜◎ルールなど子供に対する責任感を感じすぎている(地域に出さないで過保護に) ◎高齢の人や子供も参加できるイベントが少ない? ◎大多数の人が市のイベントなどに関心がない ◎コロナで行事が減少、それが関係の薄さに拍車をかけた ◎個人の時間を優先する傾向にある ◎親世代が子どもの価値観についていけてない? ◎子どもが自然の中で遊ぶ機会がどんどん減っている ◎共働きが当たり前になって、子供を連れて地域に出ていく機会が減った ◎大人ばかりが地域のイベントに参加している
●関係の希薄さの改善は?〜◎市役所などあらの情報提供が増えると良い ◎
核家族が増えて周囲との関係も少ない家が多い→家族間のつながりができると良い、自然な感じで近所の家族ぐるみの付き合いができると良い ◎保育園をいろんな家庭が使いやすくできないか? ◎働きたい女性が増えて、子育てでより強力し会えるように ◎児童館が児童センターが少ないので増やしたい ◎地域の企業も仕組みづくりなどに参加をしてほしい ◎子どもが部屋の中ばかりにいる状況は心配 ◎オンラインでのコミュニケーションより、生でのコミュニケーションができるように ◎子どものたまり場マップなど、地域ごとに作る ◎子どもが地域のひとと会う機会をつくる ◎昔の文化を改良しつつ残していきたい ◎子どもがそんな文化に触れる機会を大人が作る ◎マイノリティと言われている人たちとの交流も学びが多いはず ◎コンビニで社会を学べた ◎子どもを外出させやすくなるようなコミュニティが欲しい ◎安心して任せられる場所を親が共同で作る ◎地域、家族、学校・・が、より連携を深めることも大切 ◎地域の企業がスポンサーになって、子供も参加できる地域のイベントを

❻社会的に弱い立場の方々と地域(ホスト:風景社・廣瀬)
記録から抜粋して紹介します。
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●どんな現状が起きている?〜◎小山市で起きた新生児の遺棄事件 貧富の差が原因?さまざまな要因がある。悩み相談ができるところがある情報も届いていない? ◎学校では、インクルーシブ教育の前例がない ◎会話も機会(スマホ)を挟んで成立する。心と心で話せない、自分の伝えたいことが伝わらないのでは? ◎障がいについては、悪いところばかりに注目がいく、もっと良いところにも目を向けよう ◎ヤングケアラーが増えていることも問題 ◎不登校の生徒も ◎お年寄りは孤独死の事例も ◎外国人への偏見も根強い(外国人がいるから気をつけようなど)
●弱い立場の人が存在し困っている社会を変えるには?〜◎話を聞く場や人がもっとPRを ◎違う立場の人と話すことが大切:相互理解 ◎教育が最も大切。インクルージブ教育の必要性。子どもの頃からの関係性で相互理解が進めば、自然に多様性を受け入れるように。◎障がいのあるなしに関わらず、個性を伸ばせる教育を 
●孤立をしている人とどう関わる?〜◎課題として、災害時に逃げられない可能性が高い→主体て木に情報を得ることができる仕組みを ◎個人情報を聞くことすら難しい、どこまで介入できるか、するのか ◎地域に住む住民同士で、お互いのことを知る場を作る、接点を持つ。ハードルをいかに下げるかが課題、普通に言い合える関係を ◎悩んでいる人の支援の場として、誰もが参加できるイベント(鍋を囲んで)
●男性優位社会の問題点〜◎女性の役割は、男性の3倍大変 ◎女性がどこでも活躍できるように ◎昔から女性の仕事とされている子育てや家事労働に積極的に参加を
●解決すべき課題として〜◎個性を生かしきれない社会 ◎みんなが共に学べる環境づくり ◎災害時の孤立 ◎みんな違って当たり前・・の理解を進める
●どんな社会を目指す?〜◎「みんな違って当たり前」の社会 ◎さまざまな人が共に学び会える場 ◎地域での見守りと、地域内でお互いのことを知る場づくり ◎社会的立場の強い・弱いが、無い社会

4|各班からのまとめの発表と市長コメント
最後にホストからまとめの報告を行って、全体に共有する時間をとりました。その報告の書き起こしをベースに紹介します。
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❶地元民と移住者の関係(ホスト:伊藤弘子さん)

私自身が福岡からの移住者で、テーブルでは、ずっと小山の方も移住者の方も、いろんな方との話が弾みました。最終的には、移住者も地元民も、同じ小山市民!という自覚というか意識をもっとしっかり持ちたいね、ということになりました。
少し詳しくいうと、入ってきたはいいけど、疎外感を感じるなと思ったりしたとしても、そもそも感じる必要ないんじゃない。地元民の方たちだって、そんなに交流があるわけではない現状があるみたいだよということです。

小山っていいところはいっぱいある、よそから来たわれわれから見えるいいところ、もともと住んでいる皆さんから見えるいいところ、いっぱいあるので、そのいいところとか、イベントをやる土壌もいっぱいあるし、現在、今時点でもいろいろないいイベントをいっぱいされているので、そういうイベントや小山のいいところをどんどん広げていく。今はSNSの時代だからSNSをどんどん活用していって、「見てねー」とめっちゃ言ったりして広めていく。

30年後はSNSはなくなっているかもしれないので、そのときはそのときでまた、皆さんに伝えられるようなことをどんどん活用していって広める。そして、そのイベント、それからいいところをずっとやり続けていくこと。花火大会は毎年やっていくし、おいしいお米やおいしい麦がいっぱい作られている。それも毎年収穫していって、絶やさないようにする、広める、やり続けることを、そういう方向性で未来を目指していくといいのではないかなという話になりました。以上です。
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❷自治会など地域の組織のこれから(ホスト:長濱貴規さん)
自治会などの地域の組織のこれからということで、皆さんとお話しさせていただいたんですけども。まず、課題として自治会の存在意義を理解していない方がすごく多いなというところがあったのと。あとは、仕組みは必要。自治会ってなぜ必要なのかというところも、意見を伝える場所がないとか、意思決定が?不明確、知らないうちに自治会の決まりとか、その規定が変わっていたことがある・・・と。やはり、自治会の見えないところが結構多い。分からないところが結構多いなという意見がありました。

片方で、自治会の側からすると、課題として、やはり皆さんに伝えたいんですが、伝える労力がすごく大変だと。回覧板を回すにも、広報を回すにも、やはり人手が必要だということで、そこの課題というか。伝えたいのに伝わらない、欲しいのにいつの間にか終わっているということが課題でした。

消防団、地域が必要としている消防団のこともあるんですが、消防団もやはりイメージというか、飲み会が多いというイメージがやはり。入っていない人は。皆さん結構うなずきますね。あるんですけど、実際消防団とかやった方は、今はそんなことないよと。やはり、今の時代に合った消防団として、飲み会はそこまで多くないですし、イメージとはそんなに違うよということで。やはり自治会の消防団とか地域のつながりも、やはりイメージが先行して伝わっているところがあるので、そこのイメージをどう変えていくかが一つありました。

これから、その自治会とかのイメージの理解をしてもらうためにはどうすればいいかというところで、まずそういう仕組みを作っていく。自治会は、住んだから入るものだというところで説明をしていかないよりは、きちんと説明して、自治会は必要なんだよというのをどう説明していくか、表現していくかがすごく重要だと思います。

見える化、パンプレットもそうですし、SNSとか、先ほどお話もあったと思うのですが、今、世界の裏の情報をSNSで見に行けるのに、隣の地域の情報を全く知らないのは、たぶん当たり前ではないですか。なのでそういうところを見える化することによって、自治会で何をやっているのかを、これをすることによって広報も兼ねることもできるので、そういう自治会が何をやっているか、行事で何をやっているかが必要なのかなと思います。あとは、ほかの自治会との意見交換会もやったほうがいいのではないかなという意見もありました。以上です。ありがとうございました。
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❸世代間の意識のギャップ(ホスト:安達晃太さん)
テーブル3では、世代間の意識のギャップについての話し合いをしました。まず、前提として、世代間の意識のギャップを感じることがあるかないかというところで、皆さんあるということで、ではどんなときにあるのかというのと、どのようにして解決していくのかという話し合いをしました。

前の二つの班の方々はすごくズラズラと書いていたと思うのですが、キーワードだけ切り取ると。世代間の意識の差は、あって当然、当たり前。誰もが赤ちゃんで、小学生を通って、大人になって、例えば社会に出て、お年寄りになってお孫さんが生まれてという、その時代の中で、〇〇世代とくくられることはあっても、みんなが通っている経路はだいたい一緒だと思うので、世代間意識はあって当然。だから、これをなくすのはちょっと違うだろうというところが、まずメインとしてありました。

例えば、伝統行事一つを取っても、ある形式があったときに、その形式をもし維持できなくなったら、その行事をやめてしまうのか。もしくは新しい形にして再び末永く存続させていくのかというところで、ここにも世代の意識の差が出てくるのではないかというのがありました。

そういった中で、では何が解決策として挙げられるのかというと、相互理解が大きなキーワードになるという意見がありました。というのは、例えば60代、70代、80代の方と、20代、30代、10代、Z世代が、お互いに寄り添っていく。仲よくしていこう。仲よくするためには、では何が必要なのかといったときに、場所が必要だという結論が出ました。

ひとつ例があって、荒川区の例を挙げてくださった方もいたのですが、若い世代が中心になっていたら、もしかしたら70代、80代の方が応援したいと言って、それが広まっていくことでごちゃまぜになっていくことで、相互理解が進むのではないかという意見もありましたし。そのほかにも、集える場所があることが、一つ世代間の意識の差を埋めていくには重要なのではないかという話がありました。

その中で、例えば年寄り、お年寄りって言っちゃいけないな、80代とか、そういった世代の方々が言っていることが全部古いとか、全部悪いとか、こうやって全部けなすのはまた違うと思いますし、例えば20代、30代の言っていることが、こんなのできるわけないだろうと年寄り、あ、また言っちゃった(笑)、80代の方がけなすのもまた違うと思うので。

古い、もともとあったものを残しつつ、新しい知識とか経験とか、そういったものを入れていくことが、温故知新を図っていくことが解決策として大事なのではないかという結論に至りました。以上です。
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❹農業や地域活動の担い手づくり(ホスト:武浩美さん)
テーブル4です。テーマは農業や地域活動の担い手でした。ただし、このテーブルに回ってきてくださった方のほとんどが、市の職員の方とビジョン委員の方だったので、今回、血方神社、大谷地区には血方神社田間神楽の神楽師さんが3名参加されていて、その方がいらっしゃったので、血方神社田間神楽推しのお話になりました。

しかし、それが結局、農業の担い手不足の話にもつながっていくんだなというところにたどり着きました。話の内容としては、いろいろとても楽しかったと思います。

神楽師さん、神楽を踊っている方。私がちょっと面白いなと思っているのは、担い手不足を悩んでいるのが、この神楽に関しては40代であるということ。今、だいたい担い手不足に悩んでいるのは60代、70代、80代だったりするところを40代。既に一回担っていて、その先の担い手を今から心配しているというのが、私にとっては新鮮でした。

いろいろなお話を伺いました。神楽を知ること。神楽を引き受けるときのこととかをお伺いしたのですが、ただ、3人からお話を伺う中ですごく重要なこと、キーワードとして出てきたと思います。まずは市の職員の方に限らず、皆さんは血方神社、田間血方神社神楽について知らない方が非常に多かった。それについて話していただく。そうしたら、聞いたら行ってみたいと思った。あるグループでは、結局、全員スマホを見るとかという状況になりました。

大切なのは、担い手不足。なんでもそうですけども、まず知ること。それが何なのか知ること。そして知らせること。やはり知らないと見に行けない。知っているから見に行きたい。そして、教えること。知らせることと似ていますが、教えること。教わること。とある神楽師さんはよく、何回も何回も教わったんです、教わったんです。子どものころからの話も入ってきます。あと、やること。血方神社の神楽師さんたちは、とりあえずやってみてます。なので、やることが重要。そして大切だと思うこと。自分が担っているものが大切だと思うことが大切なんだな。これが課題解決に非常に役に立つのではないかと感じました。

そして最後、これは私の感想なんですけど。いいものは残るに違いないと思っています。なので、きっと農業も地域活動もいいものは残るはずです。なので、30年後、100年後も血方神社では神楽が舞われていると思います。以上です。
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❺子どもたちと地域(ホスト:板倉一平さん)
テーブル5は、子どもたちと地域というテーマで3セットお話をさせていただきました。課題感として最初に出てきたのは、子どもたちと地域、ここを比べたときに、昔に比べてここの距離がまずすごく離れてきてしまっていますよねという、そういう課題感からスタートしました。

これはなぜなんだろうという話の中で出てきたのは、やはり子どもたちと地域というよりは、家庭と地域の距離が離れたのが大きな問題なのではないかというところですね。例えば、PTA活動だったり、地域の行事、育成会といったものに携わるのが、もしかしたらどちらかというと大人の側が面倒で、そこを敬遠しているから、子どもたちが地域に関わる時間や機会が減らされていっているのではないか。そんな課題感からスタートしていたのかなと思います。

では、そこに対してどういうアプローチをしていきましょうかという話の中で一つ出てきたのが、安心できるたまり場みたいなところですね。要は、子どもたちを地域に安心して任せられないという親の心理からすると、ここにとりあえず放っておけば、子どもたちは地域の誰かが見てくれるだろうとか、この公園だったら大人の目があるとか、ここのお店の人が子どもたちのことをなんとなくゆるっと見てくれているとか、そういう安心感があれば、割と安心して任せられるのではないか。そういうたまり場が、もしかしたらあるのかもしれないけど、あるのかどうかが情報が届いていないというのがありました。

ある一つの話の中では、たまり場マップのようなものを作ろうかみたいな話が出ていて。確かにそういうものがあって、情報がちゃんと子育て世代に届いていけば、一つ解決事になるのかなという話がありました。

もう一つが、大人が地域に関心を持つことが重要なのではないかというようなお話です。子どもたちと地域の差が離れているのは、地域に関心を持てないから、地域に関心を持っていないのは誰かというと、子どもたち自身よりは、どちらかというとたぶん大人が関心を持っていないから、そういう場所に子どもたちをなかなか連れて行かない状況があるのかな。

逆に子どもたちが、誰々君がここに行くと言っているから連れて行ってよと言って連れて行ってもらうと、それがすごく、これまであまり関心がなかったけれど、楽しかったんだみたいな話もあって。子どもたちが地域に関わるためには、親がまず地域に関心を持つことは非常に重要なことなのではないかなと感じました。

最後にちょっとキーワードとして3セット通して思ったのが「自分のこと」から「自分事へ」ということですね。誰もが自分のことで精いっぱいなんだと思うんです。その中で、少しでも今の自分ことで精いっぱいかもしれないけど、もしかしたら先々自分のことに、人のことだと思っていることが降りかってくるかもしれないと思うと、ちょっとは今の自分のことでなくて、未来の自分に降りかってくるかもしれないこととして、自分事ができるのではないかなと思いましたので、そんなお話でございました。以上です。
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❻社会的に弱い立場の方々と地域(ホスト:風景社・廣瀬)
こちらでは、社会的に弱い立場の方々と地域というテーマで話し合いをしました。グループ三つのどの方々にも、本当に熱心にこの大事なテーマについてお話しいただけたと思います。

最初のグループでは、こんな状況ありますよねという情報の確認から入ったのですが、例えば、会社で働くにしても正規雇用に対して非正規雇用が増えて、かつ、その中でも、男性よりは女性のほうが非正規雇用の立場に置かれている人が多く、そういう人の貧富の差なども問題になっているとか。

あるいは、性差ではなく、ご家族に障害を持つ方がいて、その方のよさが非常にあるけれども、その方は発達障害でほかの人にないような新しい視点で物事を見ることができるし、それから好きになった?ことに対しても、ものすごく深く詳しくそれを掘り下げる、そういうところもある。でも、このままいけば、この社会の状況が続けば、例えば将来働かなければいけなくなったときどうするんだろうとか。そんな問題を寄せていただいたりもしました。

そういう中で、当初はやはりそういう差別とかに関係した構造的な問題、個人個人の思いとか考えではどうにもならない社会の仕組みになってしまったようなことを構造と言いますが、そういう問題の解消を目指す必要があるということは確認し合いました。

あるいは災害になったときに、今、能登半島でもそうですが、やはり一般的に弱い立場にいる方々が困りますから、そういう方々を助けるような想定、処置は用意して?おくことが必要だというようなことも話されました。

それから、その上で。そういうことは前提として必要なんですけど、その上で本来は社会的立場に強いも弱いもないですよねという意見もありました。これは実は私が説明の仕方を間違えたら謝るしかないのですが、今の日本の社会状況においては、障害を持つとされる当事者の方から、私はそういうことで困っていなくて、私はみんな違う、違って当たり前だと考えている。だから、そういう自分としてこういうことを?言いたいんだけれども、社会的に立場の弱い、そういう人をなくせばいいのではないか。じゃないや、そういうことを考えること自体がおかしいのではないかという、非常に考えてはっとさせられるようなご意見もいただきました。

それは、小山市の目標像にできるのではないかと思ったんですけども。本来、社会的立場に強い、弱いはないというふうな、こういう目標をみんなで持ちましょう。それはなぜかというと、人は皆違うから、その方が言われたんですけども、そのことを、ではどうやってみんなが理解し合うかということが課題かなと。人は皆違って当たり前ということをどう理解できるか。あるいは、壁のない社会を作るにはどうしたらいいかということを課題として明確に設定するのがいいのかなと。

そのためには、ほかのテーブルの方々も言っていましたが、人と直につながれる、例えばこの会のような機会、あるいはその機会が持たれる場がやはりないといけない。大事なんだということがありました。それから、ご本人の体験として語られたのですが、幼少時から一般に障害を持つといわれている方々と接してきた。そうすると、もう自分が成長してみると、全然違和感がない。この経験が大事だとおっしゃいましたが、そういう経験が大事だということはほかの例でも私は聞いたことがありまして、あ、なるほどと。

それは例えば、学校に当てはまると思うのですが、同世代の人が集う学校では、盲学校もろう学校もなく、教員は大変だと思いますが、皆がそれだけいろいろな学びを得られることから、そういう一緒に学べる海外にあるような学校が日本にできないか、小山にできないか。

それからもう一つは、異世代が集まる何か別の場が必要で、そういう仕組みを作って行っていくこととともに、自然にその仕組みがなくなったとしても、自分たちがそう考えられるようになるための文化が持てる。そういう小山市が目指されることが大事なのではないかというような話し合いを行いました。以上です。
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●運営サポートの大学生からのコメント
3名の学生の方に来録のサポートに入ってもらいました。それぞれにコメントも話してもらったのですが、代表して、グループ6のサポートに入ってくれた宇都宮大学地域デザイン科学部のKさんのコメントを紹介します

本日はこのような会に参加させていただき、ありがとうございます。私自身こういう会に参加する機会が結構あるのですが、まず今日、初めて来てみて、参加者の方がすごく多い。しかも多様な方がいるところに、すごく素敵だなと思って、こういうふうにみなさんが集まれる地域は、今後どんどん発展していくんだなということを身をもって体験しました。

やはり話している中で、皆さんがそれぞれに思っている意見があるということ。それを話せているということが素晴らしいなと思って。そういう場で今後の目標のようなものを立てる場に私自身もいられて、すごくうれしかったです。というのが率直な感想で。

私がこの話の中で特に印象に残ったのが、災害時というところがすごく印象に残っていて。やはり社会的弱者のことを話すとなると、どうしても障害とかヤングケアラー、そちら側、不登校だったりそちら側に、高齢者もある、目が当たりがちなんですが、災害で逃げられない人をどうするかという別の視点で話し合えたことは、私にとってすごく貴重な機会となりました。 本日は本当にありがとうございました
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●浅野市長からのコメント(書き起こしで紹介します)
皆さん、大変お疲れさまでした。今日のテーマは「人のつながり」ということで、冒頭に言ったように、ビジョンの問題だけではなくて、あらためて、やはりまちづくりにとって一番基本的な問題だと思いました。

前にもお話ししたことがあるかと思うのですが、市長会でやっている都市問題会議ということで、一昨年秋に長崎に行って、関係人口をどうやって増やしていくかというような話題だったのですが。そのときに、いろいろな地域の人に関わってもらおうということで働きかけをするときに、自分たちのところがつながっていないと、やはり外の人はつながってくれないんだということをそのときに指摘されまして、本当になるほどそうだなと思って。

そして、長崎の観光案内の長崎さるくというのがあって、その人たちの観光案内を受けたのですが。本当に普通だと観光地でもなんでもないような、自分たちが住んでいるまちを、ずっと案内しながら、ずっとしゃべっているんですね。あの建物のあそこに住んでいた人はどういう人で、どうだのこうだのみたいな、自分たちのつながりを話しているんです。その話にいつの間にか引き込まれていて、やはりつながりがつながりを生むんだなということを、本当にそのとき感じて帰ってきました。

今日、学生の方で今まであまり小山に来たことがない人でも、非常に関心を持ってもらえたということで、私たちは今、なんとかつながろうということで話を始めていますが、それによってもうかなりつながっているのは間違いなくて、このつながりを広げていけばいいのかなみたいな。それが一つの解決法なのかなというところで、今日はまとめとしたいと思います。ありがとうございました。

5|アンケート結果の公開
参加者の皆さんが記入してくださったアンケートの結果を紹介します。
参加者40名(市民23名、職員17名) 回答11名

1.セミナーに参加してのご感想をお尋ねします。
(青)参加者との意見交換を通して、今の気持ちにとても近いもの
(ピンク)参加者との意見交換を通して、今の気持ちにまあまあ近いもの

2. 上で選んだお気持ちについて、その理由として具体的なことがあれば教えてください。また、セミナーを受ける前と受けた後で、何かお気持ちや考え方に変化があれば、教えてください。

◎いろいろな意見が聞けてよかったです 
◎たくさんの方々の意見をうかがえて楽しかったです 
◎ワールドカフェ方式?とても良いですね!色々な意見を色々なテーマで話せるのでお得感がありました 
◎様々な方、立場の人の想い、意見が聞けたことが良かった 
◎様々な方の意見を聞けて、とても参考になりました 
◎組織(社会)継続のための仲間づくり、情報発信、難題ばかりだと痛感した 
◎とても楽しいエネルギーをもらうことができた 
◎血方神社の神楽など、知らないことを新たに知りました。また、各方面で活躍されている方のお話を聞き、さまざまな意見や考え方を聞くことができ参考になりました

3. 今後の田園環境都市おやまのまちづくりについて「質問」「情報」「ご意見」などありましたら、お書きください。

◎このようなワークショップは貴重なので、増えていくと嬉しいです 
◎ぜひまたこういったワークショップを開催してほしいです 
◎役所の職員や委員等の関係者ではない人の参加者を増やせたらいいと思います

以上です

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