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おやま市民ビジョン会議 おやま市民ビジョン会議
市と市民でつくる「おやま市民ビジョン会議」シリーズ セミナー&ワークショップ&報告会 開催レポート 市と市民でつくる「おやま市民ビジョン会議」シリーズ セミナー&ワークショップ&報告会 開催レポート

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2023/1202開催・自然のめぐみ(小山の生態系サービス)からウェルビーイングな未来を考える:ワークショップ第2回 レポート

令和5年(2023年)12月2日に開催したワークショップの報告です。

持続可能な未来も、SDG sの実現も、そして「田園環境都市おやまビジョン」が描く30年後の未来も、生態系サービスへの理解と、適切で賢明な活用が必要不可欠です。
生態系サービスとは? 話を聞いたり、何かで読んだりしたことがある人も多いでしょう。おやま市民ビジョン会議シリーズ5では、生態系サービスを「自然のめぐみ」と表現し、この、ちょっと難しいテーマを学び、そして、小山市域での現状や、どう軌道修正していくと良いかを考えるワークショップを開催しました。

1|当日のプログラム
当日は、このような構成で進めました。

2|前半
生態系サービスについての話題提供・情報共有

プログラムは、学び合う前半のレクチャーと、語り合う後半のワークショップで構成しました。レクチャーは、小山市の生物多様性保全の旗振り役であり、関東EPOアドバイザリー委員を務める、総合政策部自然共生課(当時)の小久保智史係長と、風景社の廣瀬俊介(環境デザイナー・日本景観生態学会会員)が講師を務めました。当日の進行スライド、そしてお二人のレクチャースライドの順に紹介します。

●配布資料
まず、当日は、①生態系サービスとは? ②生態系サービスに、人間の活動によって、さまざまにもたらされる状況の分類(トレードオフ・シナジー)について・・・をまとめた資料も配布しました。内容は環境省のウェブサイト「自然のめぐみの価値を計る〜生物多様性と生態系サービスの経済的価値の評価〜」を参考にしています。この機会にしっかり理解したい方は、リンク先に飛んで、ぜひお読みください。>こちら

●進行スライド(その1:一部省略)
今回の趣旨説明です。スライドギャラリーは、左右の三角形のボタンで操作してください。左右にスライドします。

●小久保係長のレクチャースライド(生態系サービスってなあに?)

●風景社・廣瀬のレクチャースライド

3|後半
生態系サービスを「私たちごと」として考えるワークショップ

後半では、前半の学びや資料をもとに、まず、小山市の生態系サービスの現状について、風土性調査の成果をもとに、把握し、その状況をどのように軌道修正して未来へ繋いでいくかをグループワークで考えます。
まずは、グループ内での自己紹介を兼ねて、この1週間の自分の生活の中での「自然のめぐみ」との関わりを振り返ってもらいました。

●進行スライド(その2:一部省略)

そして、グループディスカッションに入ります。
●進行スライド(その3:グループワークガイダンス)

①小山市の現状の把握
前半で学んだ知見をもとに、おやま市民の具体的な声(アンケートの自由記述・聞き取り調査)を精査し、読み解きながら、現状を把握していきます。
その参考に、風土性調査のアンケートや聞き取り調査から、「生態系サービス(自然のめぐみ)について語られているトピックを、カードにしてグループに配布しました。
●配布したカードの一部(実際は切り取ってカードの形で配布)

②現状を未来に向けてどう軌道修正していくか
次に、未来への舵取りを考えます。その際のポイントは、前半のレクチャーと配布資料で学んだ2つの概念です。
*トレードオフ(小山版では「不均衡な状態」と呼ぶ)
生態系サービスの恩恵を一方が享受し、そのしわ寄せで、他方に不利益が生じる状態
*シナジー(小山版では「プラスの最大化」と呼ぶ)
複数の生態系サービスが、それぞれのポテンシャルを最大限に発揮できる状態
.
なかなか難しいテーマですが、具体的なおやま市民の声をもとに意見交換していくので、グループワークでも活発な議論がなされていました。

③まとめのシェアタイム(6グループが発表しました)
意見交換の経過や、未来に向けた方向性をまとめたグループワークの広用紙をデータ化して共有し、発表者となった方の発表の書き起こしも一緒に紹介します。実に、いろんな視点から、そして「自分ごと」「私たちごと」として意見が交わされていることがわかります。

グループ1

私たちは、主に「子供たちの祭り体験」「来町者のゴミ」をテーマに取り上げました。
地域のコミュニティがだんだん不足している中で、大人の関わり方がだんだん少なくなっているとか、あとはこの行事というのは、では地域にとってどういった意義があるのかというのが、そういうことの共有が薄れてきて、だんだんなくなってきている状況もあるのかなと思っています。似たような事例としては、例えば、子どもたちの活動の育成会とかPTA活動とか、あとは中心市街地での自治会や、あとは子どものスポーツの参加率とか、そういった関わりがだんだん低下している状況かなと思っています。

プラスとマイナスについては、まずプラスは、少し言葉が悪いんですが、やりたくない大人が増えている。あとは地域コミュニティがいい意味でも悪い意味でも低下していたり、逆にできなくなったことに対して、ちょっと?憂慮している大人たちが参加してみようとか、そういうのが考えられるのかなと。逆にマイナスは、やはり子どもたちにとって大人との関わりが社会性を作るという意味では、そういったものがマイナスになっているのではないのかなと考えています。

では、どうしたらいいかということになりますが、大きなことはできないと思いますが、まず地域の中で、お祭りができない現状とか、そういうのがなぜできないんだろうかというのをまず知ってもらうことと、あとは情報交換というか、その地域の特性があると思いますので、この中で何ができるのかとか、そういったことを交換できるといいのではないかとか。

あとは、お祭りそのものがもう一回価値を見直して、やってみようとか、逆に今までの祭りはやり方が難しいから、少しやり方を変えてみようとか、危機感を持って考えていただくような行動ができればいいのかなと考えています。

もう一つが、来場者のごみ問題ということで、これは小山市の花火のことですが。多くの人が来ているのに、自分はお祭りに参加していないけれど、ごみ拾いをさせられるのは非常に不満だという意見がある中で、では何が原因なのかというと、まずやらされるほうからすれば、やはり観光地あるあるで、来場者の方のモラルが不足しているとか、あとは実際に開催する主体のPRがまだまだ足りないとか、あとはごみ箱そのものが少ないのが原因かなと考えられるかと思っております。

では、花火をやるとか、そういったことに対してプラスというのは、やはり経済的には?向上しているものですし、ブランドの創出でもある。ただ、やはりごみ拾いに対しては、参加者の人に拾ってもらいたいとか、実際にやらされている人のモチベーションが下がってしまう。ではどうしたらいいかというところで、マナー向上にさらなる啓発をするとか、あとはごみステーションを増やしたりとか、もっと有料席を増やしてそもそものごみの量を減らすとか、そういったことが考えられるかと。

最後に小山市としてということになるかはあれなんですが、やはりいろいろな小山のこととか、自分たちが住む街を自分事として捉えていないので、こういった「やらされ」感がだんだん増えていくのではないかと思っております。ただ、まずは自分事として、できることから興味を持っていただけるような、そういった取り組みから小山市としても始めてもいいのではないかと考えました。

【グループ2】

2班は、農業者が多く、農に関わるチームでしたので、農業の問題にターゲットを絞りました。

まず、遊休農地と耕作放棄地の問題に焦点を当てますと、やはり原因は高齢化、担い手不足、これから農水省で進めている政策である地域計画でも、小山市はアンケートを取っていますが、まさに高齢化と担い手不足といったところが、アンケート結果に表れたところです。

個人経営が多くて、なかなか厳しいというところで、機械を買うのも結構高かったりするので、機械のために働いているなどという意見もあったり。あとは茨城では大規模な法人があったり、***とか技能実習が進んでいるという意見もあって、プラスの面では資本力のある法人は生き残っていけるけれども、マイナス面では地域内継承ができないとか、いろいろありました。

今後どうなるかになると、農家がいなくなってしまう。農業をやる方がどんどん、今は高齢化で担い手がいない。一次産業をやる人がいなくなってしまうとどうなるかということで、食品がなくなります。耕作放棄地が増えます。耕作放棄地が増えたら鳥獣害がまた出てきます。そしたら既存の今、生産している方、農家で生産している方も被害があって、人類が滅亡するというオチになりましたが、これも自然の流れ、人が死ぬのも自然の流れという意見もありましたが、その手前でわれわれは子どもたちもいますので、食いとめていかなければいけないというところです。

例えば対策としては、農地マッチング。小山市では空き家バンクのようなものがあって、空いている不動産、土地、建物を売る仕組みですね。ただ、いいものは不動産会社に取られてしまって、空き家バンクにはいいものはないですが、実際に農地は、そういうのは中間管理機構というところがやるべきなんですが、実際にはこういうことが機能していない。

小山には貸したい人もいっぱいいれば、借りたい人もいっぱいいる。制度的に認定農業者でないと借りられないとかいろいろありますが、まずそういうものを公開してマッチングさせることによって、担い手、農地の借り手、耕作放棄地の解消につながるのではないかと話し合いました。

もう一つが、多様な農産物の活用ということで、水田とか畑とか、小山には恵まれていっぱいあるのですが、なかなかそれで生産したとしても、例えばそれがB級品、傷がついたり虫に食われたりして、廃棄になってしまう。そういった問題もありますので、例えば、少し見た目が崩れたものは、今、消費者が選ばないですが、そういうものを加工品としてできる工場などがあるといいのではないかなと。六次産業の工場などがあるといいのではないか。B級品も使えないから、B級マルシェなどをやろうと。こういうのをフードロスの問題もありますので、フードロス自販機とか、これはちょっとほかのところで結構やっているので、ものまねのようになってしまいますが、われわれのチームでは、こういうような対策でシナジー、作る人も消費者も皆さんが損をしないように、もう少し考えていきたいなということでしたが、時間切れでここまでとなってしまいました。

【グループ3】

3班は「来町者のゴミ」と「農業と環境保全」のカードを選びました。
まず、来場者のごみ、花火大会のごみ問題ですが。翌日にごみ拾いをやっていると思うのですが、渋谷のハロウィーンのような形で、イベントの後はごみ拾いがつきものというイメージなんですが、そもそもまず、ごみを置いていかないという取り組み、啓発をもっとしっかりとやらないといけないのかなというところもあります。

それを含めてあと、花火大会は観晃橋とかでやると思うんですが、そのときにごみはどういうものが出るかといったら、大半がプラスチック系になると思うんですよ。今、プラスチックは基本的に、SDGsの中でもやはり海洋プラスチックの問題とかもあるので、やはり自然に返らないという形で、自然に返るから生ごみとかを捨てていいかというわけではないのですが、よりもっと問題として、プラスチックの問題、ポイ捨ての問題は、解決していかないとなというところがあって。

小山でも10月1日に大規模な環境イベントをやって、ゼロカーボン、ネイチャーポジティブのイベントをやったと思うのですが、宣言があったと思うんですが。大規模なイベントとかのときの出店の容器はプラスチックをできるだけ使わないとかという、お店のご協力とか、小山市でもそこに対してサポートするとか、そういうプラスチックのごみをできるだけ出さないという取り組みをしていければいいのかなというのがありました。

2点目なんですが、先ほどの班の農業のプロの方たちのあとに話すのはすごく話しづらいのですが、担い手不足というところがあって。私は農業をそこまで知らないのであれですが、やはり要は、家で個人単位でやっているところが結構多い。今、農業法人等も増えてはきていると思うのですが、その中で細分化というか、農業にもっと興味を持って、気軽に携わって、街中で庭がない人とかが家庭菜園とかを気軽にできたりという、気軽に皆さんが参加できるような農地とか、そういうのを提供したり。

先ほど別パターンで、農業法人の大きいので、街全体でどこかのメーカーとか、小山で作ったものをメーカーと提携して、要は小山の農産物をもっとアピールしていくとかで、そもそも農業に興味を持ってもらうためには、子どもの世代からやはり農業に携わるとか、小学生の教育の中にも農業体験をどこの学校でも取り入れて、未来の子どもたちに投資して、未来の農業の担い手の方たちを増やしていく取り組みが必要なのかなと思いました。

【グループ4】

うちでは、4枚のカードを選びましたが、大きく二つ話しました。
まず一つ、声で出ていたのが、昔、イナゴ、タニシをたくさん取っていたよねとか、あと、屋形船ってあったよねとか、昔こんなものがあったよね、でもなくなっちゃったよねという話をしていました。

特に地域の神楽とかお祭りとか、そういったものがどんどんなくなってしまっているよねという話をしていまして、もったいないなと。ではなぜこれがなくなっていっているのかなという話をいろいろしていたのですが、一例としてあったのが、代謝が起こっていないということ。担い手の代謝ですね。

私も実際、移住して豊田地区というところに入ってきた身なんですが、僕らの世代がちょっとお祭りに参加しようとか、何かやろうと思っても、だいたいしゃしゃり出るなみたいな。目立つなみたいな。そういう雰囲気がすごく強いんですね。なので、そういうのをやはりどうしても、ムラ意識が結構強いので、キーワードとして出ていたのは、ムラ社会、ムラ意識を村のプライドに変えていかなければいけないよねということです。

あと、ちょっと話していた中で、生物多様性のような話を全然していないねという話があったので、田園とかそういう話を少ししたんですが。声としてちょっと拾ったのが、やはり農家さんが農薬とかを使わないとどうしても継続できないという声を拾わせていただきまして。どうしてもそういう状態がある。なので、それを変えるにはそもそも田園、田んぼというものを人工物、要は工場のように物を作る場所なんだと捉えるのか。あるいは自然環境を守るための場所だと捉えるのか。捉え方をまず変えなければいけないよねという話をしていました。

それでどうする?という話までは特に至っていないですが、確かにもう作るには農薬も必要だよねというところは、ある意味、割り切らなければいけない部分もあるかもしれないし。一方でホタルが棲んだりとか、コウノトリが来てくれたりとか、カモが棲んだりとか。そういったところも、それはそれでもっと増やすこともやっていかなければいけないのではないかという話で、ちょうど時間がきたというところでした。

【グループ5】

5班からは、とても手短にまとめて発表します。シナジーとトレードオフでしたっけ。トレードオフのところでいうと「平地林と人間その3」という意見をうちの班ではピックアップしました。平地林が伐採されて太陽光パネルが増えてきているというのは、早く規制しないとまずいよねという話になり、それをなんとかするためにどうしたらいいかと考えた中で、木を切ったらその分、その分以上の本数で、また新たな場所に木を植えていくというルールを作っていけばいいのではないかという意見が出ました。

シナジーのほうも小山にはちゃんとありまして。それが都市部の子どもと渡良瀬遊水地。渡良瀬遊水地というとても素敵な自然環境のある中に社会科見学で小山の子たちは行っているそうですね。すごく羨ましい状況。この状況を今後も続けていくために、いろいろとやっていくといいと思います。

環境を守るために人を呼んで、環境整備をする人のための投資を行うですとか、渡良瀬遊水地、こんなにいいところがあるから、皆さん協力してくださいと、人を呼ぶために広報を頑張るというあたりですね。小山の皆さんは私も含め、渡良瀬遊水地があることが当たり前になっているかもしれないですが、それを当たり前だからそのままにしておくのではなくて、われわれが自分事として考えていって、一人一人が行動していく必要があるのではないか、と、そういう話が出ていました。

【グループ6】

私たちの班では、問題提起として選んだカードは「農業と新住民の関係」と「田んぼの用水路と生き物の変化」でした。

まず、農作業と新住民ということで、もともと田畑がある場所に、豊田なんですけれども、分譲地ができて新しい住民が入ってきたところに、農家がトラクターで道路に出ると、道路に落ちている泥で、新住民に嫌がられるですとか、たくさんのクレームが出ているということで、朝から作業していると、夜勤明けで騒音だと寝ている人から苦情がくるなど、背景としては農村地区の人口減少により、新住民、分譲地ができて入ってきている、新しい方が入ってきている。これはどうして起こったのかなというところで、新住民の、新しく入っている方の情報収集不足ではないかと。田舎はもともとこういうところだと知らずに入ってしまったのではないかという意見が出ました。

類似例として、これは農村地区の問題なんですが、都市部でも同じような問題は出ていると思います。昔からいる、住んでいる方のところに新しい方が入るということで、たくさんの温度差が出ているかと思います。

そこで、まずプラスになっているのは、この問題では、人口増加ということで、小山市がプラスになっているというところです。マイナスになっているのは住んでいる住民、そしてクレームをもらってしまっている農家の皆さんがマイナスになっているかなというところです。

この問題に対して、どうしたらいいかを考えました。皆さんから、行政に関わる方と私の子どもとあまり変わらない大学生の方と、いろいろな意見を頂きまして、交流が必要なのではないか。前から住んでいる方と新しく入った方の交流が必要なのではないかという意見がまとまりました。

もう一つの課題のほうで、田んぼの用水路と生き物の変化ということで、高齢化、農業、たくさん農業の問題をおっしゃっていましたが、農業、農家の高齢化、そして人手不足から、農業の効率化を図るということで、用水路にU字溝を入れたところで、生態系が変わってしまい、豊田地区にお住まいの方はよく分かると思うのですが、ザリガニがいなくなってしまったとか、いろいろ生態系が変わっているんですが、U字溝の問題もそうですし、あとは効率化を図るために除草剤、薬剤を使ったりですとか、生態系が変わる事例が出ている。

類似例として出たのが、琵琶湖の水田ですね。在来種が減少してしまい、外来種が増えている。これも各地で問題になっていることかと思います。

この問題についてプラスになっているのは農家さん、効率化になっているので、農家さんがプラス。マイナスとしては、生態系が変わるということで、生き物が影響を受けていると、昔、田んぼで遊べた子どもたちが遊べなくなってしまった。生き物に触れられなくなってしまったということで、マイナスになっている。このままだと、生き物が減ってしまう。子どもが生き物を体験できなくなるという問題につながります。

私たちがどうしたらよいか考えたところが、環境にやさしい農業とのバランス。環境にやさしい農業だけだと、やはり農家の利益と言いますか、生活がかかっていますので、やはりメリハリ。バランスが大事だということで、結論に至りました。 

4|浅野市長からのコメント
各グループからの発表を受けて、浅野市長からいただいたいたコメントを紹介します。
….
皆さん、お疲れ様でした。やはり4時になってみると、あっという間でしたね。話していると、もっとこうしたほうがいいのではないか、ああしたほうがいいのではないかということが、やはりどんどん湧き出てきていて、いつももう少しというところで終わるのが、またいいところなのかもしれないのですが、本当にいろいろな意見や未来への夢が出ていました。

それで、先ほどの環境にやさしい農業のこととか、U字溝の問題とか、最近出てきた問題というよりは、日本全国でいろいろ各地で起きていた問題だと思いますし、小山の中でも昔からあった問題なのかもしれません。
しかし、自分たちの中で、あらためてこういうところが問題なんだよねということと、それを解決するためにはどうしたらいいんだろうと話し合うことで、今まで、ある意味、他人事的な第三者的にしか見なかった問題が、自分たちの問題になってゆくのだと思います。

ここにいらっしゃる方で農業をやっている方は、本当にわずかしかいらっしゃらないのですが、圧倒的に農業の問題がこの6グループの中でも語られているということは、小山市にとってもたぶん、ある意味、画期的なことなのではないかと思います。

よく、農業者のある方が、われわれは少数派だみたいなことをおっしゃるのですが、小山の市民は農業を自分たちに全く関係ないと捉えているというよりは、なんか心配だなと思っている方がたくさんいらっしゃって、そしてここで話し合うことで、本当に自分たちのこと、私たちのことで、しっかり考えていかなければいけないのではないかと捉えられてきているということは、ある意味、ほかの地域と比べたときに、すごいことなんだろうと思います。

そして、これは田園環境都市おやまビジョンを作るために行っている作業で、あと1年ちょっとぐらいで完成させなければいけないのですが、ビジョンは作るだけでなくて、具体的に、先ほどいろいろ出てきた、こうしたらいろいろな問題が解決できるのではないかということを実際にやっていかなくてはいけません。それは、もちろん行政がしっかりやらなければいけない部分もありますが、それは行政だけでなくて、本当に市民の皆さまに積極的に関わっていただかなければいけない問題が、たぶんたくさん出てくるんだろうと思います。

そういう市民が関わらなければ解決できないような問題を、市民の方にやっていただくためには、やはりこういう自分事にする、私たち事にする過程が絶対に必要で、ここにいらっしゃる方が皆さん農業をやるわけではないのですが、そういうふうに自分事にする、私たち事にすることによって、自分が直接関わらなくても、小山市の農業をどうにかしなければいけないというところで関わりを持つ、関係人口とも言えるのかもしれませんが、そういうふうになっていただけるのかなと思います。

毎回毎回やってみて、ビジョンはどうなるのだろうと、先が見えてこない部分はあったのですが、ジグソーパズルをはめていって、少しずつ全体が見えてくるような、私はそういう感じになってきたのですが、いかがでしょうか。本当に今日もありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

5|参加者アンケートの公開
最後に、ご回答いただいた20名の感想を紹介します。
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1.セミナーに参加してのご感想をお尋ねします。
選択肢から選んでいただきました。
◎参加者との意見交換を通して、今の気持ちにとても近いもの(青)
○参加者との意見交換を通して、今の気持ちにまあまあ近いもの(赤)

⒉ 上で選んだお気持ちについて、その理由として具体的なことがあれば教えてください。また、セミナーを受ける前と受けた後で、何かお気持ちや考え方に変化があれば、教えてください。
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◎農家の本心を聞けた 
◎ヤギの持つ循環の力をより感じられるようになった。ゴミになってしまう野菜くずや果物の皮や落ち葉がエサになり、フンが肥料になり、愛くるしいので、小学校などで飼えれば環境教育や有機農業理解にもつながる可能性があると思った 
◎新しい気付きというより、課題や考え方が共感できた 
◎・各地区ごとに考えられていること、特にトレードオフは市として大きな取り組みが必要なこともある。・各地区でも、意識改革とか、誰かがリーダーシップをとっていくことも大切だろう。やらないままでは・・・。 
◎市街地で生まれ育ったので、小山市にある自然や農地について、今回のように考えたことがなかったが、その大切さや、皆が大切にしている事を知る機会となったため 
◎私も回を重ねるにつれ、先が見えてきた気がします 
◎テーマは難しかったですが、いざやってみると意外とまとめることが出来て参加してよかったなと思いました 
◎生態系サービスについて、具体的な例をもとに学ぶことができて良かったです 
◎たくさんの方々のお話を伺い、大変興味深い時間でした。ありがとうございました 
◎・レクチャーでの新たなインプットも多く、ただ参加するだけではなく学びを得ることができました。・立場は違うが思いは近い方々との意見交換から、新たな気づきが得られた 
◎使われているワードが私には理解しにくかったから 
◎私は大学生で、何も前情報なく参加しました。不思議な空間で色んな考えをもつ人々がいて、楽しかったです 
◎年齢、立場の違う人の発見が聞けて、新しい発見がありました。視点を変えると違ったものが見える多くの学びを得ました 
◎参加する前は今回のテーマの内容について、「分からない」と感じていたが、話を聞いたり、対話していく中で、「身近な話題・テーマ」であったことに気づき、「与えられている(自然から)もの」の多さに驚いた。とても有意義な時間でした。
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⒊ 今後の田園環境都市おやまのまちづくりについて「質問」「情報」「ご意見」などありましたら、お書きください。

◎小山南部工業団地はどうなってしまうのか気がかり 
◎ビジョンをまとめて、市民に広めてください 
◎WSは、考えるためのきっかけとして有効だが、ビジョンの深堀や真に市民と共にあるものとするためには、どんなことが必要なんだろうと答えのない思案をしました 
◎市がピンチととらえているものを教えてほしい 

以上になります。

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