02

田園環境都市おやまビジョン 田園環境都市おやまビジョン

田園環境都市おやまのまちづくりとは 〜20年後、30年後、どんなまちにしたいですか?〜 田園環境都市おやまのまちづくりとは 〜20年後、30年後、どんなまちにしたいですか?〜

30年後の⼩⼭市の姿を描く
「⽥園環境都市ビジョン」を
みんなでつくる取組みを始めます。

30年後の暮らしや地域、⼩⼭市のイメージは?

そんな未来のことは、あらたまって考える機会もあまりありませんし、先が⾒えにくい時代にもなってきています。でも、だからこそ、「こうありたい」という未来のビジョンを描いて、そこに向けて⼀歩⼀歩進んでいくことは⼤切なことです。⼩⼭市では、「こんなまちにしていこう」「こんな環境を未来の⼦どもたちに⼿渡したいね」と思い描く、30年後(2054年)の市の姿を「⽥園環境都市ビジョン」と呼び、令和4年度から3か年をかけて、その中⾝〜どんなビジョンを描いていくか?〜を市⺠の皆さんと⼀緒に考えていく取組みを進めます。(2/3へ続く)

⽥園環境と都市環境の調和がとれた
⼩⼭市の良さを損なわずに、
より良い姿で未来へ。

ビジョンづくりの出発点、⼩⼭市の3つの特性

小山市は、どんな特性を持っているでしょう? いろんな視点があると思いますが、ここでは3つのことを。
農業、商工業のバランスがよく広大な水田や麦畑も広がる、首都圏でも有数の田園環境都市。渡良瀬遊水地で野生復帰したコウノトリの繁殖も3年続いています。
大看板はないけれど、市内全域に小さな自慢がたくさんあります。
合併前から地域ごとに固有の歴史や文化があり、今も地域ごとの独自のまちづくりが進められ、多様な地域の個性が光ります。(3/3へ続く)

私たちが暮らす地域の⾜元を
⾒直すことから始める、
⼩⼭市全体の総合的なまちづくり

「じぶんごと」のビジョンづくりにご参加ください。

⼩⼭市の3つの特性について、お住まいの地域でどんなことをお感じになっていますか? ビジョンづくりの第⼀歩として、地域の様⼦や住む⼈の意識などの実像を細やかに把握していく「⾵⼟性調査」を地域ごとに順次進めていきます。調査の成果を共有して、学び合い、意⾒交換を重ねる機会をつくり、都市部と⽥園部、市⺠の暮らしの価値観と⾏政の計画など、さまざまな「関係性」を結び直しながら、市域全体での総合的な未来のビジョンをまとめ上げていきます。ビジョンは、今後の持続可能な⼩⼭のまちづくりの指針となります。

「田園環境都市おやま」のまちづくりが目指すもの

小山市長浅野正富

私は小学校6年生のときに、東京から家族で小山に移り住みました。当時は、里地里山の風景がいたるところに広がり、関東平野の北に位置する典型的な田舎町だったと思います。
次第に宅地の開発や商業施設の進出も進みました。今の小山は、半分田舎、半分都会。そんな印象を持つ人が多いのではないでしょうか。中途半端で、そんなに魅力に溢れているわけではない。そういう見方もできるかもしれません。でも、小山は住みやすいし、ずっと住み続けたい。そんな声もよく聞こえてきます。

小山の魅力を「見える化」するには、数学の図形の問題を解くように補助線があった方が良いのかもしれません。私はその補助線が「田園環境都市」という呼称だと思っています。小山の特徴である「半分都会、半分田舎」はとても中途半端に思えますが、それを田園環境都市と呼んでみると田園環境と都市環境のバランスがとれた素敵なまちであることが分かります。田園環境都市と言う言葉で表される大きな自然の恵みに包まれたまち(=環境) の中で、私たちが生き生きと暮らし、しっかりと自分たちの大切なもの(=小さな自慢)を守り将来につないでいく。これが「田園環境都市おやま」のまちづくりが目指すものです。

私たちが活かし、守り、将来につないでいくべき大切なものとは何か、どのように見つけ出すことができるのでしょうか? それは市民一人一人が日々の営みの中で見つけ出すものであり、どこかで誰かに教わるものではありません。この世の中に何ひとつ自明なものはありません。日々、自分自身の足元を見つめ直すことによって本当に大切にしなければいけないことが見えてきます。そのために、私たちは日々暮らしている小山市の成り立ち、風土、自然、文化、伝統というものを改めて学び直す必要があります。そのための一手法として風土性調査があり、令和4年度から本格的に、地域ごとに調査を進めていきます。

地域ごとの調査の成果、そして、市民一人ひとりが見つけ出す「大切なもの」の総和・集積が、小山市のアイデンティティと言え、これからの持続可能なまちづくりを考えていく基盤になります。
その基盤に立ち、20年後30年後の小山市をどんなまちにしたいのか、田園環境都市としての未来ビジョンを描き、つくり、共有することが、まちづくりの基本です。
そして、描いたビジョンのようなまちにするために必要なことをやり遂げる計画を作って実行していきます。個別の良い政策を次から次に実行して行けば理想的な良いまちになるかと言えば、そんな保証はどこにもありません。現在の延長線上に良いと思われることを重ねても理想とのギャップを埋めるために必要なことを実行しなければ、理想には届かないのです。つまり、フォアキャスティングではない、バックキャスティングによるまちづくりを行わなければなりませんし、そこでは、SDGsの実践と一体化した計画と実践が望まれます。20年後30年後にこうあってほしい小山市の姿を描くのが田園環境都市ビジョンであり、田園環境と都市環境のバランスが取れた中で本当に小山市にとって大切なものを活かし、守り、将来につないでいくための持続可能なまちづくりのビジョンなのです。

田園環境都市おやまの
まちづくり
考え方と進め方について

はじめに

20年後、30年後のご自身の暮らしに、どんなイメージを持っていますか? そんな未来のことは、あらたまって考える機会もあまりありませんし、先が見えにくい時代にもなってきています。でも、だからこそ、「こうありたい」という未来のビジョンを描いて、そこに向けて一歩一歩進んでいくことは大切なことですね。まちづくりについても同じです。
小山市では、2030年の「まちの将来像」を描き、政策の長期的方向性を示した「小山市長期ビジョン」を、2014(平成26)年に策定しています。その先の2054年の小山市の姿を、市と市民の皆さんと一緒に、あらためて考えていく取り組みを今年度(令和4年度)からスタートさせています。
「こんなまちにしていこう」「こんな環境を未来の子どもたちに手渡したいね」と思い描く、30年後の2054年の市の姿を「田園環境都市ビジョン」と呼び、これから3か年をかけて、その中身?どんなビジョンを描いていくか??を市民の皆さんと一緒に考えていきます。

ビジョンづくりを
どう進めるの?
調べる・学び合う・対話する

まちづくりのビジョンとは? 未来のまちは「こうありたいね」「こんなまちにしていこう」という、実現したい未来のまちの姿です。さまざまな事業や取組みの大きな方向性を示す基盤となるものです。
ビジョンづくりとは? その未来の姿を、関わる人みんなで共有できるように、言葉や文章、イラストや図などでまとめ上げていく取組みです。
小山市では、この図のように「調べる」・「学び合う」・「対話する」を重ねながら、市民の皆様とともに、じっくりとビジョンづくりを進めます。

ビジョンづくりの進め方

ビジョンは策定して終わりではなく、市の計画や事業などの基盤として活用していきますし、市内の事業所や市民の皆さんも、事業や活動の拠り所にしていただきたいものとなります。また、ビジョンそのものも検証しながら、時代や状況の変化に応じて「更新」してゆくべきものとなります。

そもそも
「田園環境都市」って?
ビジョンづくりの出発点、小山市の特性

ビジョンづくりを進めていくにあたり、その出発点としての小山市の特徴を3つあげたいと思います。

田園環境と都市環境の調和がとれた小山市

栃木県2位の人口を有し東京から新幹線で40分ほどの都市でありながら、広大な水田や麦畑などの田園環境にも恵まれています。2012年にラムサール条約に登録された渡良瀬遊水地の8%が小山市域にあり、そこでは野生復帰したコウノトリの雛の誕生が3年連続続いています(2022年現在)。農業、商工業のバランスもよく、首都圏でも有数の、田園環境を併せもつ都市、「田園環境都市おやま」と言えます。

多様な地域を大切にする小山市

周辺の町や村の合併が続き、現在の小山市になったのは昭和40年。町村制がひかれた明治22年には、小山・間々田・生井・大谷・穂積・寒川・中・豊田・桑・絹の1町9村が誕生していました。
小山市への合併以前から、各地域には固有の歴史、文化、伝統、祭り、慣習があり、現在も地域ごとの独自のまちづくりの取組みが行われています。小山市全体での「田園環境都市おやま」のまちづくりを進める上では、地域ごとの特性を生かし、尊重し、さらに、その総体としての未来の小山市を描くビジョンづくりを目指すことが大切になります。

小さな自慢がやまほどある小山市

小山市シティプロモーション キャッチコピー・ロゴ 小山市シティプロモーション キャッチコピー・ロゴ

これは、市民参加によってつくられ、令和3年度から使われている小山市シティプロモーションのキャッチコピーとロゴデザインです。「小山市は、コレ!」という大看板は無いけれど、それぞれの地域や、個々人で、自慢に思えるもの、大切に思うものや誇りに思うものは、有形無形に多様に存在していて、それらも「田園環境都市おやま」の大切な構成要素です。

地区ごとの風土性調査って?
現地調査・アンケート調査・聞き取り調査・文献調査

田園環境と都市環境のバランスの良さ、地域ごとの独自の歴史や文化、小さな自慢がたくさんあるまち。そんな小山の特性を、細やかにしっかり深掘りして調べていくのが、令和4年度から本格的にスタートしている、地区ごとの風土性調査です。その成果は市民の皆さまと共有し、意見交換を重ねていくための基礎資料として公開していきます。詳しい計画や報告はこちらのページをご覧ください。

詳しく読む

未来ビジョンづくりは、持続可能なまちづくりの推進?
小山版SDGsの取組みへ

2015年に国連サミットで世界共通の目標として設定された「持続可能な開発目標:SDGs」の普及で、持続可能性という言葉もよく聞かれるようになっています。30年後のビジョンを考える際には、「今を生きる私たちが、その時代に生きる将来世代に何を残してあげられるか?」という「持続可能なまちづくり」の視点が不可欠です。田園環境都市ビジョンづくりの取組みは、小山市の住み良さの要因の1つ、田園環境と都市環境のバランスを今よりも崩すことなく、資源も使いすぎず、地域や暮らしの中での「大切なもの」を損なうことなく、将来世代にバトンを渡してゆく、小山版SDGsの取組みであると言えます。

*SDGsについて 外務省「JAPAN SDGs ACTION PLATFORM」へ

田園環境と都市環境の調和を大切に考えてゆく小山市のビジョンにおいては、SDGsの17の目標の関係性を考える際に、スウェーデンのストックホルム・レジリエンス・センター所長、ヨハン・ロックストローム氏が提唱している「ウェディングケーキ・モデル」が大切な手がかりになると言えます。17の目標は、人間の経済活動に関すること、社会のあり方に関すること、環境(自然)に関することの3両域に大別されます。ウェディングケーキ・モデルでは、経済も社会も、環境(自然)を基盤として成り立っていること、つまり、環境(自然)なくしては、社会活動も経済活動も成り立たなくなるということを示しています。

環境を基盤とした、経済や社会の考え方について、小山市では、令和4年6月20日に庁内勉強会を開催しました。その映像(30分)を共有しますので、ぜひご覧になってみてください。

庁内勉強会の様子

小山市YouTubeアカウントで観る

これまでのまちづくりと
どう違うの?
田園環境都市ビジョンの役割

これまでのまちづくりで行政においては、農業、環境、都市計画、福祉、教育などあらゆる分野で、総合計画に基づいて各種計画がつくられ、そこにはSDGsの視点も反映されています。市民参画のまちづくりとしても、地区ごとのまちづくりや、小山駅周辺地区まちづくりプランの作成が活発に進んでいます。 さらに、従来のまちづくりを一歩進めて、小山市の良さや大切にしたいものを確実に未来につないでいくには、個別の計画づくりや事業間での「連携」や「協働」、それぞれのまちづくりが進む地区間での「共有」や「学び合い」、田園部と都市部の「関係性を繋ぎ直す」ことなどが必要となります。田園環境都市ビジョンの役割はそこにあり、また、ビジョンは、小山市域全体で「総合的」に、持続可能なまちづくりを考えていくための「指針」となります。将来世代に、より良い小山市を残すために、この取り組みに、さまざまな形でご参画ください。

田園環境都市ビジョン