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2024/06/22開催「人口減少時代の地域づくりとその支え手を考える」語り合うワークショップ第5回レポート宇都宮大学地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科の石井大一朗先生を講師に迎え、「人口減少時代の地域づくりと、その支え手を考える」というテーマのもと、石井先生からの話題提供や参加者への問いかけの講義と、グループでの対話を深めていくワークショップという2本立ての構成で「語り合うワークショップ第5回」を開催しました。
このレポートでは、⒈当日のプログラム ⒉レクチャーとワークショップの記録 ⒊参加者の感想・・・をお届けします。

1|プログラムと講師紹介
プログラム
1|挨拶 :おやま市民ビジョン会議 阿久津 治 座長
2|本日の趣旨説明と講師紹介 :風景社
3|レクチャー:石井大一朗 先生
4|ワークショップ:70分
5|本日のふりかえり
レクチャーおよびワークショップ 講師
石井大一朗先生:宇都宮大学地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科 教授、地域防災部門長。
ご専門は、市民参加のデザイン、地域自治。「1人で見る夢は夢に終わる。3人集えば始められる。5人いれば何でもできる」をモットーに、大学での教育、研究の傍ら、栃木県、福島県、神奈川県で、自治会/町内会の活動支援、高校生のまちづくり参加促進の取組みなど、現場での強い味方として、各地を飛び回っていらっしゃいます。また、専門家/有識者として、栃木県社会貢献活動促進懇談会会長、栃木県生涯学習審議会委員、宇都宮市みんなでまちづくり会議会長、栃木市男女共同参画審議会会長などを務められています。
2|レクチャーとワークショップの記録
石井先生からのレクチャーでは、自治会の再編成の試みや、既存の枠組みに囚われない発想で行われている全国各地の取組みの事例紹介、、口減少時代の地域づくりの大切なことなどを伝えていただきました。


風土性調査でも、自治会、消防団、育成会、祭りや伝統行事、農業など、地域の担い手不足が深刻な問題として浮かび上がってきていて、さまざまな問題をどう解いていくかが大きな課題となっています。今回のレクチャーでは、「既存の枠組みや考え方に拘らない柔軟な発想」の重要性と、「地域づくりは、課題解決より、まず「主体の形成」を重視する」という視点を受け取ることができました。
石井先生のレクチャーは、映像アーカイブでご覧いただけます。
レクチャー後は、休憩を挟んでグループワーク 。参加者全員がそれぞれ「私たちでウェルビーイングを作るぞ!企画」を考え、グループ内で共有し、メンバーからエールや助言、共感コメントなど、さまざまな「ギフト」を受け取る時間となりました。




どんな企画が生まれたか、一部を抜粋してタイトルのみ紹介します。
●寺子屋の開設 ●市内の交換留学 ●小山の食の安全を広め隊 ●御殿広場をもっとオープンに! ●都市部・農村部の子どもたちに農業体験を! ●小山にプラモ工作室を作る ●小山でも夜間のゴミ回収を ●農村地域で多世代が集まるサロンを開設〜みんなで子育て ●It’s a small OYAMA(交流会マルシェ)●近所で遊び隊(済ませ隊)●都市部「通りを戸外の部屋に」田園部「交流拠点を循環する「市」の開催」●森・林をクリエイトするプロジェクト・・・などなど


3|参加者の感想
当日は32名の参加があり、半数の方が参加者アンケートにご回答いただきました。自由記述に寄せられたコメントから抜粋して紹介します。
●参加する前と、参加した後で、何かお気持ちや考え方などに変化があれば教えてください。
◎地域によって問題が違うんだなと思った ◎・主体形成(課題解決ではなく)が重要であること・自治の4つの原則をさかさまから考えること ◎地域学校協働活動の具体的な活動内容を聞けて良かった ◎新しい公共の限界→住民自治・団体?自治の見直し?→新しい結合により地域の在り方を創っていくことの重要性 ◎イノベーション(新結合)の必要性を知りました。新しい発想も出てきて良かったです ◎今までの固定概念にとらわれない新しいプラットフォームを考えるまでどうしたらできるか考えるか大切だと思いました ◎自分のプロジェクトに対するギフトコメントをもらえて前向きな気持ちになれた ◎自分にそこまで縁のない地域だったが、多くの意見を聞き、新たな視点が得られた ◎ワークショップに参加するのは初めてであったが、自分の考えていたことを発表するだけではなく、自分の知見になかった斬新な考えを聞くことができ、貴重な経験であった ◎参加者それぞれが問題意識や「こうありたい」というイメージがあるのだなと思い関心した。これまでの事例や、やり方に囚われることなくより柔軟に物事を考える必要があることを改めて感じた。今日参加されていた宇都宮大学の学生はまだ1年生とのことだが、今後とも関わりを持って欲しい
●今後の田園環境都市おやまのまちづくりについて
◎「おやまの農業を市域全体でどう考えるか」が楽しみです! ◎県外の者ですが小山市の取り組みも関われたらら嬉しいです ◎ずっとアンケートなどに書いて伝えてきていたことですが、一部の限られた人の意見だけではなく、一般の市民の意見が反映され、また、市民も自分の住んでいるまちについてしっかり考えていくべきだと思いますが、それを石井先生がおっしゃっていたのでうれしかったです。小山市を見ると、しっかりした考えを持って動いている人もたくさんいると思います。それぞれの活動(点)がバラバラで、点と点が線で結びついていないためせっかくのいいものが発揮できていないように思います。官民協力して(行政が潤滑油的な感じ)、行政でないと決められないこと・動けないこと、柔軟に動ける民間にやってもらうことなど線をたくさん結びつけるといいと思います。